“魔法使いの杖”のお店に着いたりしゃこ達… 初めて見る、色とりどりの杖に目を丸くする… りしゃこ達は嬉しくて仕方がない様子だ 「ねぇねぇ!杖を探してもいい?」「いいよ」「やったー!ねぇ、りしゃこ!行こ!」「うん!!」 と言って店内をぐるぐる周り始める 5分後― 「ただいまー!」「だもん!!」と言って、みんなの前に姿を現したミヤりしゃ… が、その両手には抱え切れないくらいの杖があった…。(それはやりすぎだろ!?)という顔をする面々 「だってぇ…」「…全部可愛いんだもん!」 と、ちょっと拗ねてみせるミヤりしゃ… そんな二人に… 川*^∇^)|<あれもこれもと、チョイスノンノン! と嗜めるユリーナだった… 魔法使いの杖を買いにきたりしゃこ達だったが、いざ、そのうち一本を選ぶとなると、どうしても躊躇ってしまう… 店内をキョロキョロしているりしゃこの目に、一本の杖が飛び込んできた― りしゃこのイメージ通りの、星の飾りがついた杖だ… すぐさま駆け寄って、杖に手を伸ばす― ガシッ!! だが、杖はびくとも動かない…。それもそのはず、杖には、もう一本手が伸びてたからだ… 洲;` v ´)<…それ、アタシが先に取ったんだけど… 洲*‘ o‘リ<ちがうもん!りーちゃんの方が先だったもん!! りしゃこが手にした魔法使いの杖には、もう一人の女の子も掴んでいた… しかも、どっちも「先に取ったのはアタシ」と言って譲らない… 「アタシが先に見つけたんだから譲りなさいよ!」 「りーちゃんの方が先だもん!!この杖はりーちゃんのだもん!!」 口ゲンカが始まった… 店内が騒がしくなったのに気付き、サキ達が駆けつける…。が、もう取っ組み合いのケンカにまでになっていた… 慌てて二人を引き離すサキ達… そんな中、生意気そうな顔をした女の子が 「アナタみたいなレベルの低い魔法使いは、杖なんかよりホウキで十分よ!」と毒づく りしゃこも負けじと 「おまえなんかは便所スッポンで十分だゆー!」と言い返す… 「何ですって!?」 「何だもん!?」 まさに一触即発だ… 子供ながらに凄まじい意地と意地のぶつかり合いをみせる両者…。そして二人同時に 「勝負だ!!」 と叫ぶ! だが、それをサキが止める… 「子供なのに決闘だなんてマネはやめなさい!」 余談だが、このハロモニアでは、魔術師同士の決闘はよく行われていた… それをりしゃこ達がマネしたのだ だが、それは大人の、プライドを賭けたもので、子供が軽々しく行なってはいけないのだ… それを戒めるためにサキは二人を止めたのだが… それでも収まりのつかない生意気な女の子は 「…ふーん、大人がびびってるんだ?」とサキを挑発する… それにカチン!ときたサキが怒りを抑えながらも 「…すごい自信ね…!やってやろうじゃないの!」とケンカを買ってしまう… 「じゃあ決まり!夕方5時にこの街の奥にある広場で!アタシの名前はアイリーナ・M・ウッドベル!逃げも隠れもしないわ!」 と、一方的に言うと、生意気な女の子は踵を返して店を立ち去っていった… 『売り言葉に買い言葉』で、つい、生意気少女・アイリーナと“決闘”することになったサキ… とりあえず、杖は店主のお婆ちゃんに預かってもらうことにした こうなった以上、例え相手が子供であろうと容赦はしない…と決意するサキだった― そして夕方― 時刻通りに待ち合わせ場所の街の奥にある広場に到着したサキ達― が、もうすでにアイリーナは到着していた― 立会人として、杖の店主のお婆ちゃんを連れて… 「怪我しても、知らないわよ!?」と最後の警告をするサキ… それに対して、 「キャハハ!見事にやられ役のセリフを吐いてる〜!」とケタケタ笑うアイリーナ…。とてもじゃないが、すごく余裕たっぷりだ― 「そっちがその気なら…、一切、手加減しないわよ!」と凄むサキ 「きっと後悔するよ!」と物怖じしないアイリーナ… そして、戦いの火蓋が切って落とされた!! 小雨が降りしきる中、サキとアイリーナによる、“決闘”が始まった― 固唾を呑んで見守る面々… 予想に反して、二人とも呪文の詠唱を唱えながら慎重に、相手の出方を伺っている… じっとしている間のたった1分が数分にも思えるくらい、重い空間だ― 先に仕掛けたのはサキだ―詠唱を終えた呪文をアイリーナ目がけて解き放つ! 小雨を切り裂いて、風の刃が一直線にアイリーナに襲いかかる!! 一方のアイリーナも、サキが呪文を解き放ったのと同時に詠唱を終え、地面に手をつくと魔法を解放する… すると、アイリーナの目の前に“水の壁”が出現した!! 風の刃は水の壁に遮られて消えてしまった… 風の刃が打ち消されてしまったことに、少なからずショックを受けるサキ… 「じゃあ…次はこっちの番だよ!」と言って詠唱するアイリーナ 「次はこっちの番だよ!」呪文の詠唱を始めるアイリーナ それを見て、気を取り直し、高等技術・“高速詠唱”で隙を突かんとするサキ やはり、サキの方が少し早く詠唱を終え、再度、呪文を解き放つ! アイリーナはまだ終わっていない! 今度こそ!の気持ちを込めて、無数の風の刃が一斉にアイリーナに襲いかかった!! だが、信じられないことが起きた― 再度、水の壁によって風の刃が行く手を遮られてしまったのだ… そして、水の壁が消えた瞬間に水流が猛スピードでサキに襲いかかった! 詠唱直後で無防備な状態のサキに容赦なく矢と化した水流が身体を貫く! 腹部に直撃を食らい、もんどり打って倒れるサキ… 「うぅ…」 かなりの深手だ… 「どう?降参する?」と自信ありげに言うアイリーナ… アイリーナの水撃魔法を受け、ダメージを負うサキ… 「降参したら?」と余裕のアイリーナ… だが、サキの目は死んでなかった 「…これくらい、大したことないよ…」 サキのセリフを聞いて、 「後悔するよ!」と言いながら、次の呪文の詠唱に入るアイリーナ サキはダメージを負ったせいか、次の呪文の詠唱に入れないでいる…! 「残念だけど、アタシの勝ち…」と微笑むと同時に魔法を放つアイリーナ 魔法の杖を媒介にして、大きな水泡球が出来上がる 今まで見たこともない魔法だ… 「…食らえ!」 アイリーナが叫ぶと勢いよく水泡球が一直線に飛んでいく!! 魔法に備えて守りを固めるサキ… が、しかし、魔法はターゲットのサキを捉える手前で急にホップしてしまい、水泡球は二人の頭上で炸裂してしまった… 「…勝利を焦って外したようね…」と肩で息をしながら呼吸を整えるサキ 「“外した”のよ!」と、失敗を何とも思っていないようなアイリーナ… その理由がすぐにわかった… アイリーナが自信をもって放った魔法の水泡球は二人の頭上で大きく弾けた… それが霧雨になって頭上に降り注ぎ、広場一帯を包み込む… 立会人として決闘を見ていたりしゃこ達には二人の姿が朧気にしか見えなくなった… 「ねぇ…、ミヤー…サキ…大丈夫かな…?」と不安げに聞くりしゃこ 「…うん、大丈夫だよ…」と言いながらも不安で仕方がないミヤビ それは昔からの仲間・モモも一緒だった (…ウチらの中でも、サキの魔法スキルはトップクラスなのに…!まさか…それ以上だというの!) 降りしきる雨と魔法による霧雨で視界が奪われた形のサキとアイリーナ… その中で、サキは神経を集中させてアイリーナの気配を探った… が、肝心の気配が読み取れない!! サキは焦った… アイリーナとは違い、実戦経験の豊富な自分の方が『相手の気配を読む』スキルがある限り、有利だと思っていた… だが、雨や霧で視界は遮られ、匂いも消され、雨音で足音も紛れてしまう… 絶体絶命のピンチだ…! 動揺するサキの前にゆらりと影がゆらめいた… 瞬時に、その影に向けて魔法を放つサキ… だが、影はスーッと霧の中に消えていった… と、同時に背後から、 「こっちだよ」という声がする! 慌てて振り向くサキを嘲笑うかのように、またもや水撃が襲いかかる! バシッ!! 「…痛っ!!」 サキの左足に激痛が走る!少しずつ、身体の自由を奪うつもりのようだ… あまりの念の入れ様にムカつくサキだが、怒りのぶつけ様がない… また、再び、霧の中を影がゆらめく… 瞬時に反応して魔法を放つも空を切り、アイリーナの魔法を受ける…という動作が何度も繰り返された… 深い霧の中、為す術なくアイリーナの攻撃を受けまくるサキ… 何しろ、正面から影がゆらめいたかと思って攻撃すれば、その背後からの魔法でダメージを負ってしまう…という悪循環だ… 「!?」 サキは何か違和感を感じた…。何故、“いつも背後から”なのだ?と… まだ、答えは出ない…。が、これが『違和感』なのは確かだ… 次の攻撃の時…それを見破るチャンスだ… しばらくして、前方にゆらりと影が見えた… だが、これは誘い水…。そう判断したサキは片手を前方にかざし、魔法を放つ。―そして、時間差で“後方”にも魔法を放った!! バシュッ!!ドス!! 「きゃあ〜!!」 アイリーナの悲鳴だ!初めて魔法を当てることに成功した! チャンス!!と判断し、再び霧の中へ逃げられないようにダッシュしてアイリーナを組み伏せるつもりのサキ… しばらくして片膝をついているアイリーナの姿を捉えた… 掴みかかり、組み伏せようとする… と、その時、緑のレインコートから、アイリーナの顔が見てとれた… 州´・ v ・) 「!?」 その直後、サキは背後から凄まじい衝撃を受けて倒れてしまった… 降り続ける雨の中― りしゃこ達はただひたすら待ち続けていた… 雨と霧によって視界が遮られている以上、二人の決着を待つしかなかった… どれぐらい時間が経ったのだろう…。きっとほんの数分の出来事だろうけど、それが何十分、何時間にも感じてしまう― ふと、あらためて見てみると、目の前の霧が少しずつ晴れてきた… そして、一つの人影がぼんやりと浮かび上がってきた… 息を呑む面々… だが、その人影はサキではなかった… フードを被ったアイリーナが、サキ愛用の錫杖をりしゃこに手渡す― 「残念だけど、アタシ達の勝ち、だよ…」そう告げると、そのまま無言で引き上げていった… 茫然とするりしゃこ達…。アイリーナが歩いてきた方向をたどってサキの行方を探す… まだ完全に霧が晴れておらず、探すのもひと苦労だ…。そんな中、マァの懐に隠れていたマイハが突然飛び出した― 数秒後、「クゥーン…クゥーン…」とマイハの鳴き声が聞こえてきた… その方向へ歩き出すりしゃこ達。すると、そこには、うつ伏せになって倒れたサキがいた― うつ伏せになって倒れているサキに駆け寄るりしゃこ達… 「…サキ!しっかりして!」と呼び掛けるモモ そしてゆっくり身体を起こして顔を叩く 「…うぅ」 どうやら気がついたようだ… 「サキ!大丈夫!?」 「サキ!しっかりするもん!!」 りしゃことミヤビが来たことに気付いたサキ… 気丈に、「大丈夫だよ…」と言って元気なフリをする… が、しばらくして、 「…ゴメン!負けちゃった…」と、二人に詫びる… 「…ううん、いいの…」 二人とも、サキの気持ちを察してか、それ以上、何も言わなかった… でも、その“優しさ”が、サキには痛かった― 宿屋への道中、言葉少なに帰るりしゃこ達… 出発前と変わり果てた姿で宿屋に帰ってきたサキ… それを見た宿屋の夫婦は驚きを隠せない… ただ、昨日お仕置きを受けたマイは、 「…ヘン!ざまぁみろでしゅ!」と毒づく が、その言葉を発した瞬間、りしゃこから平手打ちが飛んできた… 「…っ!何するんでしゅか!」とマイが叫ぶも、目に涙を浮かべたりしゃこの顔を見たら、『毒』が薄れてしまった… 結局、マイは部屋に担ぎ込まれていくサキを茫然と見送るしかなかった… そして夜― サキの看病に、交代で番をしていたりしゃこ達― モモが番をしていた時だった。 不意にすごい眠気が襲ってきた… 確かに真夜中なので幾分眠くなってもおかしくないが… だが、猛烈な睡魔には勝てず、モモの意識は次第に薄れていった… そして、最後に見たものは… 部屋の扉から入ってくる人影だった― そして翌日― 何か部屋の外が騒がしい―ふと、目が覚めてしまったモモ 眠い目をこすりながら、部屋の外に出てみる すると、その声の主は宿屋一家だった 「だから!ホントに見たんでしゅ!」 「何言ってんの!!“おカッパ様”がこんなところに来るわけないじゃない!?」 「だって見たんでしゅ!マイが一人でトイレ行こうとしたら、全身緑色で…水に濡れたままだったから…間違いないでしゅ!!」 宿屋の夫婦は半ば呆れているが、マイは真剣そのものだ… 気になったモモが話に割り込む 「どぉ〜したんですかぁ朝っぱらから〜!?」 「いや、実はウチの娘が“おカッパ様”を見たっちゅうもんで…」 「…で、“おカッパ様”って何ですか〜!?」 「あぁ、それはね…」 「水の妖精の一種らしいわ」 と宿屋の主人の言葉に誰かが割り込む ユリーナ達だ― 突然、宿屋一家と桃子の会話に割り込むユリーナ達 「この辺りの水の妖精でしょ?」とユリーナ 「ええ…。でも、かれこれ20年は見つかってないんで、もうすでに絶滅したんじゃないか?って言われているんですよ…」と、宿屋の主人が言う 「私達はマイが“おカッパ様”を言い訳にしようとしてるんじゃないか…と思ってしまって…」と、宿屋の奥さん 「わぁ〜!わぁ!わぁ!わぁ〜〜〜〜!!」とメチャクチャ慌てるマイ… …だったが、お姉さん達の耳はしっかり大事なキーワードを聞き漏らさなかった 「…言い訳って?」モモ達が一斉に宿屋夫婦に尋ねる 「ぎゃあ〜〜〜!!やめて!やめて!やめて!」と、マイの抵抗空しく 「…おねしょですよ。この年になって…」とため息をつく宿屋夫婦 「ふぅーん…」とにやけている面々 顔を真っ赤にしてうつむくマイ…。と、その肩をポンポン、と誰かが叩く… 州*‘ ー‘リ マイはあまりの恥ずかしさに耐えられず、「うわ〜〜〜ん!!」と泣き叫んで、部屋に戻っていった… マイは逃げ去ってしまった… が、あそこまでムキになっているのでまるっきりウソとも思えない… モモ達は逃げたマイの部屋まで急いで追いかけた― ガチャッ!! 勢いよく扉を開けて部屋に雪崩込むモモ達― そこには、ベッドに突っ伏して大声で泣いてるマイが居た… そんなマイの姿を見て、ヒョイと軽々と抱え上げてギュッと抱きしめるマァ… 「さっきは笑ってゴメン…とゆいたい」と詫びる… 最初は泣き喚いていたマイだったが、マァの『抱擁力』で次第に落ち着き、泣き止んだ… そして、泣き止んだところで「笑ってゴメンね」と詫びる面々― ところが、それはなかなか許してくれない… そこでミヤビが 「さっきはマイのこと笑ってたけど、りしゃこも最近までおねしょしてたもんねー!」 と“切り札”を出した! 大爆笑のモモ達― 顔を真っ赤にして怒るりしゃこ 「そうゆうミヤだって、2年前までおねしょしてたゆー!!」とミヤビの秘密をを暴露し返す― ふと、そんな二人の肩をマイがポンポン、と叩いていた― どうやら、機嫌が直ったようだ… マイの機嫌が直ったところで、謎の人影について聞いてみる… マイが真剣な表情をしながら 「きのう、眠れなかったから、ずっと起きてたの…。そして、窓をぼーっと見てたら…」 「…見てたら?」 「すっごい大きなのが家に近づいてくるのが見えたの!」 「…それで?」 「…怖かったんだけど、入り口まで行ったの!そしたら入ってきちゃったの!」「化け物が!?」 「そうなの!!で、よく見たら少しボーッと光ってて、全身緑色でビショ濡れなの!」 「それが“おカッパ様”そっくりだったワケね…」 「うん…。でもパパとママは信じてくれなくて…」 少し寂しそうな顔をするマイ… そこへチナリが 「…でさー、その“スリッパさん”はどこ行ったのー?」 一瞬、時が止まった…。そして、時が動きだした瞬間、チナリの喉元には、マァのたくましい腕が食い込んでいた… マイが言葉少なに 「あのちびっこ姉ちゃんの部屋に行ったよ」 と言った マイの言葉に、慌ててサキの部屋へ向かうモモ達― 特にモモはサキの様子をほったらかしで部屋から出てきてしまったのだ… サキの部屋に着いたモモ達…。おそるおそる部屋に入ってみる…。 モモ達の目の前には… 「ふぉえ?みんなどしたの?」 元気なサキの姿があった… 拍子抜けするが、安堵するモモ達…。それでも心配そうに 「ね、ねぇ?特に痛いところとかない…?」と尋ねるミヤビ 「ん?大丈夫だよ!」と屈託のない笑顔で答えるサキ…。 だが、その笑顔も次第に曇ってしまう…。きっと、昨日の敗戦を思い出したのだろう… 窓の外の雨降りの景色同様、どんよりした雰囲気になる部屋の中… そんな雰囲気を吹き飛ばしたのが、他ならぬマイだった… 「ふぅーん…。口ほどにもないんでしゅね?」 一同ムッするが、サキがそれを制する… 続けて、マイは 「悔しがってるヒマがあったらぶっ飛ばしてやればいいじゃん!!」と言うだけ行って、部屋の外へ飛び出していった… マイの発言によって、今まで暗い雰囲気だった部屋の中が一転して活気づく… 「ねぇ、サキ!あの生意気なアイリーナとやらをさっさと倒しにいくもん!!」「そうよ!ぎゃふんといわそうよ!!」とミヤりしゃがいきり立つ… 「…そうね!負けっぱなしはヤだからね!」とサキも俄然、元気が出てきた… 「でも…あの子がどこにいるのかわからない、とゆいたい」とマァの声に一同、また、黙り込む… 「…ちぇ、仕方ないなぁ〜!!」 その声のする方向へ一斉に振り向く 声の主は、さっき部屋を出ていったハズのマイだった… 「…ねぇ〜?あの子がどこにいるのか教えてほしい〜?」とマイが言う 「…うん」力強く頷くサキ… 「教えてあげてもいいんだけどなぁ〜?」とイタズラっぽく笑みを浮かべるマイ… 「…わかってるわよ…。先日はやりすぎました…。ゴメンなさい…。これでいい?」真剣な顔をしてサキが言う… 「やだ!」マイが答える サキの真剣な願いも、マイには通じなかった… 「…だってぇ〜、あんなことしておいて『ゴメンなさい』じゃムシがよすぎるでしゅ!」 そう言われると耳が痛いサキ…。確かにあのお仕置きはやり過ぎた… 「…じゃあ、どうすればいいの!?」と、完全に白旗状態のサキ 「…じゃあ…」 「じゃあ!?」 「やっぱり、もういい…」とマイ 「ちょっと!?どういう風の吹き回しよ!?」とうろたえるサキ 「…困らせてみたかっただけだもん…」 と本音を漏らすマイ それを聞いたサキが 「…ゴメンね…」と言ってマイを抱き寄せる… が、それはワナだった… 気を抜いた瞬間、サキπを揉み始めた… 「ちょ…、な、何すんの!?」とサキ 「別にいいでしょ〜、このくらい〜」 結局、マイにバカ負けしてされるがままのサキだった… 結局、10分くらい揉まれたところで解放されたサキ… マイから聞き出したアイリーナが泊まっている宿屋まで出向いてみた… 目的は勿論“リベンジ” 早速、アイリーナの部屋まで行ってみたが、何か騒々しい…。部屋の向こうから悲鳴が聞こえる… そっと、壁に耳をあてて聞いてみる… (ふぇ〜〜〜ん!パパ…ゴメンなさ〜い!もう許して〜〜!!) (駄目だ!人様に怪我をさせたワケだから、もっと反省しなさい!) (…ねぇ、パパ…もうやめてあげて…アイリーナも反省してると思うの…) アイリーナの部屋の会話を聞いて驚くりしゃこ達… 話の流れからすると、アイリーナと父親、それと女の子が一人いるのがわかった… 加えて、ピシャリ…ピシャリ…と乾いた音も聞こえてくる… ますます気になって扉に耳をくっつけるりしゃこ達だった… が、お約束通り、重みで部屋の扉が開いてしまう… 突然、一斉に部屋に雪崩込んでしまったりしゃこ達… 目の前に広がっていた光景は… 父親らしき人物、と“お仕置き”を受けているアイリーナ…だが、その傍らには正座してるアイリーナ… りしゃこ達は一瞬、パニック状態になった… アイリーナ達は、突然入ってきたりしゃこ達を見て、ボー然としている… しばらくして、アイリーナが 「な、何しに来たのアナタ達!!」と叫ぶ… が、父親らしき人物にお尻ペンペンを受けているポーズで言ったものだから、りしゃこ達から失笑が漏れる… 「…あーもう!出ていきなさいよアナタ達!!」と、癇癪を起こすアイリーナ…「あ、ダメだよ!そんなに怒っちゃ…」と、“もう一人のアイリーナ”がなだめる…という異様な光景だ アイリーナが怒って、アイリーナがなだめる、という異様な光景の中で、二人の父親らしき人物がサキを見かけて、 「おっ、キミ!怪我の具合は大丈夫かね!?」と尋ねてくる サキは怪訝に思いながらも「…え、ええ…お陰様で…」と答える他しかなかった… それを見て、父親らしき人物が 「この度は済まなかったねぇ…ウチの娘達が怪我を負わせてしまったようで…」と謝罪する (娘達!?) りしゃこ達は一様に驚いた… そんなりしゃこ達に気付いて、父親らしき人物が 「…ああ、自己紹介がまだだったね…。私はトール・ボンバー・ウッドベル。ハロモニアの宮廷魔術師だ」 それを聞いて、大声を上げたのがサキとモモだった… 驚く二人にりしゃこ達が一斉に、 「…ねぇ、あの人ってそんなに凄い人なの!?」と質問する― ハロモニアの宮廷魔術師を名乗るトールに驚くサキ・モモに対して、どれだけ凄いのか質問するりしゃこ達… 「いい?“宮廷魔術師”っていうのは、私達、魔術師の中のエリートなのよ!」とサキが言う 「しかも、一握りの人間しかなれないのよ!」とモモがつけ加える… …あまり理解は出来てないが、雰囲気でなんとなく理解するりしゃこ達… 「そうなんだよ!」と嬉しそうな笑顔を浮かべるトール 「そして、私の自慢の娘達だ… 洲 ` v ´)が、アイリーナ・マイキィ・ウッドベル洲´・ v ・)が、アイリーネ・ヴォッケ・ウッドベル…」と紹介する― りしゃこ達に自慢の娘達を紹介するトールはどこか誇らしげだ… そして、 「…用事は娘達への“リベンジ”かね?」と鋭く言い放つ… 呆気にとられるが、頷くりしゃこ達… 「私も本来、“私闘”は良くない、と思っているが…ただ、しこりを残すのはどうか?と思うんで…」と前置きしながら、 「今度は“正々堂々”とやるんだぞ!」と双子の背中を叩く… 少しムッとしながらも頷くしかなかった双子達… 「…で、アタシ達の相手は誰なの!?」と生意気そうなアイリーナが言う 「ウチがやる…と言いたいけど…」とサキ 「ふぅーん…返り討ちに遭いたくないから避けるんだ…」と挑発するアイリーナ… 「ダ、ダメだよ…そんなこと言っちゃ…」とオロオロするアイリーネ… 双子達の言葉を軽く聞き流し、 「ウチの愛弟子がやってくれるから!!」と鼻息荒いミヤりしゃを指名した…