(…アタシ…どうしたんだろう…) 

パチッ!! 

…気を失ったマイハが目を覚ましたのは、ベッドの上だった… 

(…痛いっ!) 
全身に鈍い痛みと熱を感じる… 
その痛みに耐えながら辺りを見回すと、そこは医務室だった… 

そして、ベッドの傍らには眠っているマァの姿が… 

「…マァ…」 
マイハの語りかけに、それまで眠っていたマァが目を覚ました… 

「…マイハ…」 
マイハが目を覚ましたことでホッとしたマァが目を細める… 

「…アタシ…?」 
何かを言いかけたマイハをギュッと抱き締め、 
「…大丈夫…もう大丈夫だとゆいたい…」 
と、言ったマァ… 

優しくて温かいマァの温もりを感じながらも、『何か』が脳裏をよぎった…



マァの温もりを感じながらも、マイハの脳裏を『何か』がよぎった… 
その途端、覚えていないハズの記憶が次々とフラッシュバックしていく…! 

「…あ…ああ…!…やだ…!…いやぁ〜!!」 
思い出してしまった“記憶”に苦しむマイハ…! 
「…マイハッ!しっかりしろ!とゆいたい…!」 
暴れるマイハを力ずくで抑えるマァ…! 

それでも尚、もがき続けるマイハ…! 
必死に食い止めるマァ… 

そして、マァの“願い”が通じたかのように、次第にマイハはもがき疲れて暴れるのを止めた… 

「…もう、大丈夫だとゆいたい…」 
と、優しく声をかけるマァに安心感をおぼえ、次第にマイハは落ち着きを取り戻す… 

そこへ 
「…マァ!…マイハが起きたの!?」 
と言って、医務室に入ってきたりしゃこ達… 

「…おいおい、ホント大丈夫かYo!」 
と言って、対戦相手だったヨッシーノ達も入ってきた… 
来客が相次いだため、医務室が急に賑やかになった… 
ただ、そんな中、ヨッシーノがしみじみと言った… 
「…まさか、あんなことになるとはおもわなかったYo…」



ヨッシーノがしみじみと言った 
「…まさか、あんなことになるとはおもわなかったYo…」 
の一言… 

マイハも、自分が何をやったのか?というのは想像がついている… 
何故なら、『今回のようなこと』は『初めて』ではないからだ… 
それ故、マイハはそれを聞くのが怖かった… 
思わず、聞かないようにと、手で耳を塞ごうとした…! 

…が、そのマイハの手をマァが優しく握りしめる… 
続けて、 
「…マイハ…辛いと思うけど、現実から逃げるな、とゆいたい…」 
と語りかけた… 

身体を小刻みに震わせながらも、聞く姿勢を取ったマイハ… 

「…大丈夫…」 
マイハの手を握りしめたまま、マァが励ました… 


「…じゃあ、『何があったか?』を、この子に話してもいいかい?」 
と、ヨッシーノが言った… 
マァがマイハに目をやると、マイハが小さく頷いた… 
「…じゃあ、マイハちゃん…ちょっと辛いかもしんないけど、何があったかを話すね…」 

それから、ヨッシーノが淡々と語り始めた…



ヨッシーノが淡々と語り始めた… 


「…マイ…ハ…」 

『氷の華』に身体を突き上げられたマァが、マイハに意識を保つように呼びかける… 

…が、この時すでにマイハの『自我』は崩壊していた… 
ただ、そこにあったのは、マイハの、過剰なまでの『自己防衛本能』だった… 
それが、『氷の華』として具現化し、肥大することによって、他者からの干渉を『拒絶』しているのだ… 

その『氷の華』の肥大がまだまだ止まる気配がない… 
ヨッシーノは直感した…このままだと、マイハは『氷の華』を制御出来ずに、『暴走』が始まる…と。それを『本能』で、感じ取っていた… 

ヨッシーノの『決断』は早かった… 

最初に、足元にあったボールをマァめがけて立て続けにシュートを放った! 
…きっと、マイハの『自我』を取り戻すことが出来るのは、この場にはマァしかいない…まずはマァの安全の確保だ…! 

バキィィィ!! 

ヨッシーノの狙い澄ましたシュートは、マァの身体を突き上げている『花びら』を粉砕した…! 

ドサッ!! 

マァが『氷の華』の支配から解き放たれた…! 


続けざまにヨッシーノは行動を起こす…!



ヨッシーノのシュートによって、マァが『氷の華』の支配から解き放たれた…! 
続けざまにヨッシーノは行動を起こす…! 

「…ヤスス姐さん!…結界をヨロシク!」 

試合中に、中立の立場の審判・ヤススに意見するのはルール違反である… 
しかし、今は緊急事態なのだ… 

そのただならぬ雰囲気を感じ取ったヤススも 
「…し、試合中断…!」 
と、観衆にコールする… 


最後にヨッシーノが取った行動が、マァのラリアットで失神しているリカサークを起こすこと… 
ヨッシーノは、素早くリカサークの下へダッシュした…! 

「…おい?リカちゃん…起きろ!」 
と揺さ振ってみる…! 
しかし、リカサークは舌をだらん…と垂らして白目を剥いていた…! 

「…ぷっ!…うくくっ…!…ひゃあっはっはっはっ〜!…ひぃ〜!!」 

普段は割と可愛らしいリカサークの顔が、〇ーガンの〇ックス〇ンバーを食らって、舌を垂らし、白目を剥いた〇木にそっくりだったのだ…! 

堪え切れず、腹を抱えて笑い出すヨッシーノ… 

しかし、結果的には、ヨッシーノの大爆笑が耳障りでリカサークは目を覚ましたのだ…



ヨッシーノの大爆笑が耳障りで、リカサークは目を覚ました… 

「…う…ううん…?」 

リカサークの視界に、腹を抱えて笑っているヨッシーノの姿が…! 

試合中に、隙だらけなヨッシーノに怒りを覚えたリカサークは 
「…ちょっと、ヨッちゃん!」 
と言って、ヨッシーノを叱りつける…! 

リカサークのご立腹な様子に気付いたヨッシーノが笑うのをピタリと止めた… 
そして、リカサークに今の現状を伝えた… 

「…リカちゃんの『力』であの『氷の華』をどうにかして欲しいんだYo!」 
と、助力を求める… 

「…いいけど…でも、あの『魔法』はちょっと時間がかかるから、もしも『氷の華』が成長するようだったら、二人で食い止めてちょうだい!」 
と、リカサークも条件をつけた… 

「…なぁ…聞いたか?」 
と、ヨッシーノが尋ねると、マァが 
「…わかった…要はあの『氷の華』の成長を食い止めればいいんだな?…とゆいたい…」 
と答える… 

「…じゃあ、ぬかるなYo!」 
「…そっちこそ!…とゆいたい!」 


かくして、二人による『共同戦線』が始まった…!



突然、試合を中断され、場内の観衆が騒つき始めた… 
(…早い内にこの事態を収拾しないと…『大会』の存続が危ない!) 
ヨッシーノは内心焦っていた… 

このままだと、伝統ある『魔導大会』に汚点を残すであろうし、何よりマイハの安否が気になる… 

ただ、今はやれることをやるだけ… 
『氷の華』の暴走を止めるのはリカサークに任せて、これ以上の成長の進行を防ぐのみ…! 

…そこで、ヨッシーノがマァにリクエストをする… 
「…なあ、オレも『取って置き』を出すつもりだけど…それには少し、時間が必要だ…少しの間だけ、時間稼ぎをしてくれ…!」 

ヨッシーノの申し出に、 
「…わかった…とゆいたい…但し!…失敗したら、思いっ切り、ぶん殴ってやる!とゆいたい…」 
マァも了承した… 

まだ、緩やかではあるが、成長を続ける『氷の華』… 
そして、ヨッシーノとリカサークが『取って置き』を出すべく、呪文の詠唱に入った…! 

すると突然、ヨッシーノ達めがけて『氷の華』から今までにはなかった『蔓』が発生した! 
凄まじい勢いで伸びてゆく『蔓』が、ヨッシーノ達を串刺しせん、とする…! 

そこへマァが立ちはだかった…!



『氷の華』から凄まじい勢いで伸びてゆく『蔓』が、ヨッシーノ達を串刺しせん、とする…! 

そこへマァが立ちはだかった…! 
「…フンッ!」 

パキィィィン!! 

ヨッシーノ達に向かって伸びていた『蔓』が、マァのバットにより粉砕された! 
しかし、何事もなかったかのように、『蔓』は次から次へと伸びてゆく…! 
「…フンッ!…フンッ!」 
次々と『蔓』を粉砕していくマァ… 
(…何とか、何とか持ちこたえてみせる…!) 

ところが、『氷の華』が再び攻撃方法を変化させる!今度は『蔓』の先端から『種』がショットガンのように発射された! 

(…不味い!) 
そう感じたマァは、地面に手をつき、『土の壁』を作り出した…! 

ビシビシビシ!! 

間一髪、『種』が『土の壁』にめり込む…! 

そこへ 
「…よし!準備完了!」 
…ヨッシーノの声だ 

「…遅いぞ…とゆいたい…!」 
と、小言を言うマァだったが、その顔には安堵が… 

「…じゃあ、いくぜ!…取って置きを!」



「…よし!準備完了!」 …ヨッシーノの声だ 

「…じゃあ、いくぜ!…取って置きを!」 


マァが安堵の表情を浮かべてヨッシーノの方へ振り向くと、その足元には、通常の『ボール』の二回りほど大きい『火の玉』が… 


「…これがオレの取って置き…『スピリット・オブ・ガッタス』!」 

ヨッシーノのが自慢気に言うが、マァはガッカリした表情を浮かべた… 

その様子に、 
「…ちょ、ちょっと待てYo!…そのガッカリ感は…!?」 
とマァに言うヨッシーノ… 
「…わかった、わかった!…これが只の『火の玉』じゃないトコを見せてやるYo!」 
と、すっかりキレ気味のヨッシーノ… 

「…食らえっ!オレ達の熱き魂!…『スピリット・オブ・ガッタス』!」 
ヨッシーノが思い切りよく右足を振り抜くと、『火の玉』が『氷の華』めがけて一直線に飛んでゆく…! 

しかしながら、破壊されるのを手を拱いて待っている『氷の華』ではない…! 
過剰なまでの『自己防衛本能』が働いて、『火の玉』を潰しにかかった…! 

だが、『氷の華』を嘲笑うかのように、『防衛ライン』を次々と粉砕しながら突破していく…!



「…よし!準備完了!」 …ヨッシーノの声だ 

「…じゃあ、いくぜ!…取って置きを!」 


マァが安堵の表情を浮かべてヨッシーノの方へ振り向くと、その足元には、通常の『ボール』の二回りほど大きい『火の玉』が… 


「…これがオレの取って置き…『スピリット・オブ・ガッタス』!」 

ヨッシーノのが自慢気に言うが、マァはガッカリした表情を浮かべた… 

その様子に、 
「…ちょ、ちょっと待てYo!…そのガッカリ感は…!?」 
とマァに言うヨッシーノ… 
「…わかった、わかった!…これが只の『火の玉』じゃないトコを見せてやるYo!」 
と、すっかりキレ気味のヨッシーノ… 

「…食らえっ!オレ達の熱き魂!…『スピリット・オブ・ガッタス』!」 
ヨッシーノが思い切りよく右足を振り抜くと、『火の玉』が『氷の華』めがけて一直線に飛んでゆく…! 

しかしながら、破壊されるのを手を拱いて待っている『氷の華』ではない…! 
過剰なまでの『自己防衛本能』が働いて、『火の玉』を潰しにかかった…! 

だが、『氷の華』を嘲笑うかのように、『防衛ライン』を次々と粉砕しながら突破していく…!



「…と、いうことがあったんだYo…」 

ヨッシーノが『自我』を失っていた時のマイハのことを語り終えた… 


その間、マイハは身体を強ばらせながらも、我慢して聞いていた… 
自分が何をしたのか?…そのことから逃げずに向き合うために… 

そして、聞き終えてから一言… 
「…みんな、ごめんなさい!」 
と、か細いが、しっかりとした口調で言った… 

心神喪失した自分の『罪』を聞くのは怖かっただろう… 
だが、そこからマイハは逃げなかった… 

その『勇気』を感じ取ったヨッシーノが、マイハの頭をポン!と叩いて、 
「…頑張ったね…!」 
と、労いの言葉をかけた… 
すると、堰を切ったかのように、マイハが泣き始めた… 
「…うっ、うっ、うわあぁぁ〜ん…」 

マイハは、今まで気丈に振る舞っていただけだった… 
何時、壊れてもおかしくない…ガラスのように、脆くて、繊細な心… 
『氷の華』は、そんなマイハの『精神(こころ)』の現れだったのだろう… 

「…あの『華』は、きっとマイハちゃんの『精神』だったんだね…」 
と、いみじくもリカサークが言った…


何時、壊れてもおかしくない…ガラスのように、脆くて、繊細な心… 

「…あの『華』は、きっとマイハちゃんの『精神』だったんだね…」 
いみじくも、リカサークがそう言った… 

「…でも、あの『氷の華』…最後はあっけなかったよな!…だって、リカちゃんの魔法の…何だっけ?『あじしお旨い旨い』…」 
「…『紫陽花愛哀物語』!…ヨッちゃん、わざとボケてるでしょ!?」 
ヨッシーノのボケをリカサークがスリッパでツッコミを入れた… 

「…あの『魔法』はね…、『魔力を吸収する魔法』なの… 
魔力がなければ、『氷の華』だって形を維持出来ないのはわかってたし…! 
ま、『頭脳プレー』ってヤツ?」 
と、リカサークは自画自賛した… 

「…ハイハイ、わっかりました!…リカちゃんが一番だよ!」 
呆れたように言ったヨッシーノの言葉に、つい、喜んでしまうリカサーク… 

「…ところで…マァちゃんからマイハちゃんに、プレゼントがあるのよ!」 
と、唐突に言い出すリカサーク…



唐突に、リカサークが 
「…ところで…マァちゃんからマイハちゃんに、プレゼントがあるのよ!」 
と、言い出した… 

「…えっ!?」 
突然のことに、マイハが驚く… 

「…これ…」 
そう言って、マァがマイハに渡したのは、淡い藍色が美しい花…『紫陽花』だった… 

それを不思議そうに受け取るマイハ… 

「…実はね、『紫陽花』には素敵な『花言葉』があるの…!…何だと思う?」 
と、リカサークが悪戯っぽくマイハに尋ねてみた… 

すると、泣き止んだハズのマイハが、また泣き出してしまった… 

「…そっか、知ってたんだ『花言葉』…」 
そう言うと、リカサークはマイハの頭を優しく撫でた… 

「…ねぇ、ミヤー?『あじしお』の『花言葉』って何だゆー?」 
と、りしゃこが聞くが、 
「…わかんない…」 
と、素っ気なく答えたミヤビ… 

そんな二人の後ろから 
「…コホン…」 
と、咳払いが聞こえた… 
二人が振り返ると、サキが立っていた… 

まるで、『ワタシに聞いて!』と言わんばかりに…



『紫陽花』の『花言葉』がわからないりしゃことミヤビ… 
そんな二人の後ろに、まるで『ワタシに聞いて!』と言わんばかりに、サキが立っていた… 

「…ねぇー?サキなら『あじしお』の『花言葉』、わかるんだもん?」 
と、りしゃこが聞いた… 
「…当ったり前じゃない!?」 
と、即答するサキ… 

「…じゃあ、教えてほしいんだもん!」 
と、目をキラキラさせながら尋ねてくるりしゃこに対して、優越感に浸るサキ… 
「…いい?…『紫陽花』の『花言葉』はね…」 
「…『花言葉』は?」 
りしゃこにつられてミヤビも耳を傾ける… 

「…『移り気』…つまり、『浮気者』…ってことね!」 
と、自信たっぷりに話すサキ… 

すると… 

スパァーン!! 

サキに、スリッパによるツッコミが飛んできた…! 

「…いった〜い!…誰よ、人様の頭をスリッパで叩くのは!?」 
と、怒るサキだったが、スリッパの主が 

ゴゴゴゴゴ…从#゚ー゚从 


と気付いて、怒るのを止めた…



『紫陽花』の『花言葉』を『浮気者』と答えて、マァからツッコミを受けたサキ… 

頭を押さえて痛がるサキを尻目に、ユリーナとチナリが答えた… 
「…『強い愛情』!」 
「…または『家族の結びつき』って言うジャン?」 

二人の答えに、リカサークもニッコリ笑って頷く… 
「…けっこう気の利いたプレゼントね…」 

重かった医務室の雰囲気が、緩やかに和みだす…まるで、『雪解け』のように… 

「…あの…」 
もじもじしながらマイハが何かを言いたそうにしている… 

「…何?」 
すぐさま全員が反応した… 
「…あの…試合…」 
「…ああ、試合…ね…」 
少し遠い目をして、ヨッシーノが静かに語り出す… 

「…『無効試合』…だって…」 
意外な結果に、マイハはショックを受けた… 

「…だけど、『ウチらのせいで試合がメチャクチャになったから…』ってマァが“試合放棄”を申し出たことで…ワタシ達の勝ちになったの…」 
と、リカサークが言った… 
「…ごめんね…マァ…」 
また、マイハが悲しそうな顔をするが、 
「…もういい…とゆいたい…今日の試合で『勝利』よりも、大事なものを手にしたから…」 
と、微笑むマァ…



「…ごめんね…マァ…試合に負けちゃって…」 
マイハが悲しそうな顔をするが、 
「…もういい…とゆいたい…今日の試合で『勝利』よりも、大事なものを手にしたから…」 
と、微笑むマァ… 

「…『家族の絆』っていうか、『仲間の絆』ってヤツだな…」 
と、ヨッシーノが嬉しそうに話した… 
「…なんかいいよね…そういうのって…」 
リカサークも呟く… 


「…じゃあさ、ウチらもさ、なんか『絆の証』、欲しいよね?」 
と、サキが言い出す… 
「…でも、そう言われても…何かあるかな?」 
と、ミヤビが答える… 

「…じゃあ…オレ達みたいに『チーム名』をつけたら…?」 
何気なしにヨッシーノが言った一言に、みんなが反応した…! 


「「…それって…イージャン!?」」 
あっという間に、みんな大騒ぎだ…! 

確かに、今のりしゃこ達は『偶然』ではなく、『必然』に出会ったような感じがする… 
それは、例えばみんなが持ってる『護神石』にも顕れている… 

だとすれば、『チーム名』をつけたい…と思うのは当たり前か… 

かくして、りしゃこ達による、『チーム名』バトルが始まった…



「…『チーム名』をつけたら…?」 
何気なしにヨッシーノが言った一言に、みんなが反応した…! 
「「…それって…イージャン!?」」 
あっという間に、みんな大騒ぎだ…! 
…かくして、りしゃこ達の『チーム名』バトルが始まった… 

「…ハイハ〜イ!意見意見!」 
と、ウザイくらいにハイテンションなチナリが食い付いた! 
「…『おーどん』が良いと思いま〜す!」 
「…何?その『おーどん』って!?」 
聞き慣れない言葉にサキが反応した 
「…んーとね…今、頭の中に閃いた言葉!」 
とのチナリの答えに、 
「却下!」 
と、たった1秒で全否定したサキ… 
「…あ〜!ひっど〜い!」 
と、頬を膨らませるチナリ… 

「…『いちごショートケーキ』が良いと思うの…」 
と、はにかみながら、マイハが意見する… 
予想外のマイハの発言に驚くりしゃこ達… 
「…まぁ…チナリのそれよりかはいいかな…?」 
と、マイハの勇気を買ってサキが褒めた… 

しかし、思わぬ反対が… 
「…マイハ…ウチがいちごが食べられないの、知ってるでしょ?…ひーん!ひーん!」 
…意外にも、ユリーナはいちごがダメだと言う… 

「…ごめんね…別のにするね…」 
ちょっぴり残念そうなマイハ…



みんなでつけようと決めた『チーム名』… 
しかし、なかなか決まらない… 

それから、というと… 
サキの『キャプテン・サキと愉快な仲間たち』も、 
ユリーナの『エンジョ〜イ!』も、 
マァの『ママ&ベイビーズ』も、 
ミヤビの『ゴージャス☆彡』も 
モモの『モモの軍団』も、全部、ボツになった… 

「…なかなか決まんないね…」 
と、みんなでボヤく… 

そんな中、りしゃこが発言してないのに気付いたサキが、 
「…ねぇ?りしゃこはどうなの!?」 
と、尋ねてみる… 

…実はりしゃこもりしゃこなりにチーム名を考えていたが、なかなか良いのが思い浮かばない… 
だが、しばらくすると、りしゃこの頭の中に、声が聞こえてきた… 

『…よっしゃ!…これや!これで行こか!?』 
何だか懐かしい声だ… 
『…この子らは、無限の成長の可能性を秘めてる“果実”の集まりや…。そや!名前は…』 

…そして、りしゃこが口にした言葉が、 
「…べりー…ず…」 

その一言に、あーでもないこーでもない、としていた部屋内がシーンとなった…



…りしゃこが口にした言葉が、 
「…べりー…ず…」 

その一言に、あーでもないこーでもない、としていた部屋内がシーンとなった… 
そして、みんなが言った… 
「…何だろ?…何だか…懐かしいね…」 
「…うん…何でだろ?」 
「…不思議…だね…」 

しばらく沈黙が続いた後、キャプテンのサキが言った… 
「…で、で、で、『べりーず』で決定?」 
みんなが口々に 
「…賛成!」「…賛成!」 
と、言った… 

「…じゃあ、決定!」 
満場一致で、りしゃこ達のチーム名が『ベリーズ』に決まった… 


「…何だか、青春だよね…」 
「…だよな…オレらもこんな時があったよな?」 
と、ヨッシーノとリカサークが懐かしむ… 

「…ね、ね、ね、みんな!…これでみんな、試合が終わったから、お疲れ様の乾杯でもしない!? 
…それとさ、チーム名決定記念を兼ねて…!」 
キャプテン・サキが提案した… 

そこに異論はなかった… 

「…大・賛・成!」