―キュートの章― ベリーフィールズを旅立って約1ヶ月―長いようで短かった はじめはたった3人だけでどうなることか、とても不安で一杯だっただろう… その間、いろんな出逢いと別れがあって、今では7人と一匹?の大所帯だ そんな個性派揃い粒揃いのぐさんしゃいんな面子が、キュート地域の国境までやってきた― ―そして国境― 当たり前だが、いつの時代も国境は警備されてるものである 当然、事情聴取される。が、キュート地域とベリーズ地域はもともと一つの地域だったので警備は緩い… それでも衛兵が何人もいる中を通るので、念のため、サキ以下メンバーはシスター姿になっておいた― 予想通り、国境をすんなり通してもらえた 衛兵達がマッチョなシスター、でかいシスター、黒いシスターにざわついていたが… 無事、国境を越えてりしゃこ達が最初の街へ向かう途中だった― 「お〜い、コラ待て〜!」(銭形警部風に) と何物かに呼び止められてしまった!! 「お〜い、コラ待て〜!」と呼び止められてしまったりしゃこ達… 待てと言われて待つ奴はいない。当然、りしゃこ達は逃げ出した… しかし、二つの影にまわりこまれてしまった! そして二つの影が全貌をあらわす― 从*・ゥ・从 リl|*´∀`l| 二人の正体に気付くモモ 「お前達は…“クラッシュガールズ”のヤジウメ!」 モモの声に気付いた二人。「違うわ!!“キューティーペア”のマイミン&エリカンよ!!」と反論する そしてモモの姿を見た二人が衝撃的なことを言った― 「アラ、アナタは貧乏人泥棒の“モモコ・プロ”…またの名を“マジカル・ピーチ”でしたっけ?」 モモの顔が一瞬にして険しくなる― 「ワタシが泥棒ならお前達はならず者だね!」と言い返す 「ケッ!オレ達はバウンティ・ハンター(用心棒)なんだよ!!」 「じゃあ、ワタシはトレジャー・ハンターよ!!」 両者の言い争いは続く… 両者の言い争いが続く中、突然、キューティーペアに巨大な火の玉が飛んできた… キューティーペアが振り向くと、小さな女の子が立っていた すんでのところで火の玉は躱したが、魔法使いがいたとは誤算である 「モモをバカにするやつは許さないんだもん!」とプンスカ怒るりしゃこ… 「アラ、あのコすっごく可愛い〜〜〜!!」とキューティーペアの片割れエリカンが言うと、「ちぇっ…」と拗ねるマイミン エリカンに対して(♪あ〜の〜コ〜が〜い〜い〜な〜ら、そっちいけばいいジャン♪)と心の中で突っ込むモモ 舌打ちしたマイミンに対しては(♪誰〜にアピ〜って〜る〜の〜♪)と心の中で突っ込むユリーナ wktkなチナリ… 「可愛いなら、オレ等の流儀で…」 「さらいましょう!!」 というなり、りしゃこに襲いかかるキューティーペア…。その動きは凄まじく速い!!あっという間にりしゃこに詰め寄る!! しかし、炎の壁によってキューティーペアの行く手は遮られた― 「私のたった一人の大切な“妹”を誘拐するなんて…許さない!絶対!!」 怒りを露にしたミヤビがりしゃこの後ろから援護する 「ヒュー…やるねぇ…」「面白いわ…とても刺激的だわ!!」と逆に興奮するキューティーペア… ミヤりしゃコンビとキューティーペアがお互いを牽制し合ってる。 懐に入らせなければミヤりしゃの優位で、入られるとほぼ、負けに等しい― キューティーペアの二人はミヤりしゃの周囲をぐるぐると回りだす… 的を絞らせないつもりだ。キューティーペアも遂に本気を出してきた― キューティーペアが陽動作戦に出た― 何をする訳でもなく周囲を回り続ける… 痺れを切らしたりしゃこが火球を放つ… だが、躱される… 1発でダメなら…、と2発め、3発めを放っていく… いずれも躱され、逆に隙が出来てしまった… その一瞬の隙を逃さない百戦錬磨のキューティーペア…懐から「何か」取り出すと、それをミヤりしゃに向かって投げつける すると、その「何か」はミヤりしゃの身体に生き物のように巻き付き、二人の身体の自由を奪ってしまった!! 鎖だ― 一生懸命もがいて抜け出そうにも鎖が食い込んで抜け出せない!! 「結構、頑張ったけど…」「…勝負あり、ね?」と得意げにいうキューティーペア。不敵に笑みを浮かべる 悔しくて涙がぽろぽろ出てくるりしゃこ… そんなりしゃこにハァ〜〜〜〜ン!!なドSのキューティーペア 勝利を確信して二人に近づいていくキューティーペア 身動きが取れずにもがくミヤりしゃ 見るに見兼ねて助けに入ろうとするマァたちだが、サキが止めた… 「あの子たちの成長を信じまショウ」と… だが、耐えることは辛いのだろう…。サキの口元を見れば、唇をギュッと噛んでいる… 一歩、二歩とミヤりしゃに歩を進めるキューティーペア… 遂にミヤりしゃを捕まえてしまった… 泣くりしゃこを見て 「あぁ〜ん、やっぱり可愛い〜!」とエリカンが言えば、「オレ、こういう子、嫌いじゃないんだよね」と睨み付けるミヤビに言う… 二人に油断が出来た― 次の瞬間、ミヤビの口から詠唱された呪文が解き放たれた… 『ほのまら!!』 ミヤビの口から解き放たれた『ほのまら』の呪文… 次の瞬間、ミヤりしゃに手をかけていたキューティーペアの身体に火がついた! 「きゃあ〜〜〜!!」「うぉっ!あっち〜〜〜!!」 あまりの熱さに燃え広がる炎を消そうとのたうち回るキューティーペア… と、同時に目の色が変わる…マジだ… 背中や腰からマイミンが両手剣を、エリカンがボウガンを取り出し、構える― 「遊びは…」「…これまでよ!!」キューティーペアが叫ぶ なんとか一時的にピンチを脱したミヤりしゃだが、依然ピンチだ… だが、両者の間に割って入る影が… ル* '- 'リ<…お遊びはこれまでよ!! …全身ピンクづくめのモモがいつの間にかミヤりしゃの傍に立っていた… ミヤりしゃに「よく頑張ったぞ!!」と労いの言葉をかけて鎖をほどく… 「…お待たせしたわね。わたし、そーとー怒っているから覚悟しなさいよ!!」凄むモモことマジカル・ピーチ おもむろに、腰から短刀を取り出し、両手に持つモモ… モモが加勢することになったミヤりしゃ 一方のキューティーペアにも焦りが見える… 何しろ、相手側に『マジカル・ピーチ』が加わったからだ… 二人とも『マジカル・ピーチ』の実力は知っている…だから迂闊に手が出せない 二人がためらっている隙に、逆にモモから切り込んだ!! あっという間に間合いを詰めるモモ… エリカンがボウガンで足止めしようとするも、躱されてしまう… 逆に遠方から火球が立て続けに4、5発飛んできた! ミヤりしゃだ… モモを信頼し切って遠慮なく魔法を叩きこんでいく… 分断されたキューティーペア マイミンの両手剣は身軽なモモを傷つけることが出来ず、エリカンのボウガンも数の論理でミヤりしゃに圧倒される― そして、遂に均衡が崩れた… 「きゃあ〜〜〜〜!!」 叫び声が聞こえる… 交戦中のモモとマイミンが一瞬、悲鳴の方へ目をやる… 被弾したのはエリカンだ…思わずマイミンが一瞬、棒立ちになる― その隙をモモは逃さなかった― マイミンの鎧の隙間に短刀を突き立てた!! だが、致命傷ではない… すぐさま反撃に打って出るマイミンだったが、急に片膝をついてしまう… 勝負あった― ミヤりしゃの対人デビュー戦はモモの協力があったとはいえ、勝利を収めた― モモが言うには、この「キューティーペア」、なかなかの賞金首であるという… そんな相手になんとか対等に立ち回ったのだから、満点をつけてもいいだろう… さて、戦後処理… 神妙に縄についたキューティーペア… 闇ギルドに突き出せば相当の賞金はもらえること間違いない(この世界の用心棒=悪党狩り) だが、守銭奴かと思われたサキは「逃がしてやる」と言う… この言葉にはモモも意外だった… 「…何故、闇ギルドに突き出さない!?」とキューティーペアが問いかける… サキは 「…仲間は売れないデショ!?」と謎の言葉とともに微笑む― 『仲間』? キューティーペアのことをそう呼んだサキ… だが、当の本人たちがぽかーんと口を広げている… 「ハテ?どこのどちら様でしたっけ?」と二人とも口を揃えて言う… 「“コードネーム:ブラック・ハムスター”と言えば思い出してもらえて?」 とサキが言う… エリカンはピコーン!ときたようだが、マイミンはまだ、わかってない… しかも、モモまでもが「アッ〜〜〜〜〜!!」と言う始末… 見るに見兼ねて、エリカンが耳打ちすると… 从*・ゥ・从<えーと、ブサハム? 次の瞬間、マイミンはサキの風の刃の魔法を食らってしまった… サキの魔法をモロに食らって、宙を舞うマイミン… さながら、風の妖精のようなのだが… 一方… サキの正体が『ブラック・ハムスター』だと知り、衝撃を受ける3人(キューティーペアとモモ) …と、置いてきぼりの5人(ミヤりしゃと妖精さんたち)と一匹(マイハ)… 「コードネームでお互いの素性なんてロクに知らなかったからね」とサキが言う 「ちょっと待って!!あたし、この二人なんて知らないわ!!」とモモ エリカンも「ワタシだってアナタのこと知らないわよ!!」と言い返す 「昔はさ、モモは『モモ・ピンク』、エリカンは『グリーン・ビーン』、マイミンは『レッド・ホット・シード』だったからね」と当時の通り名をあげていくサキ… 初めて3人が「アッ〜〜〜〜〜〜〜!!」と声を揃えて叫ぶ そして、大爆笑… 「え〜〜〜〜!気付かなかったぁ〜〜〜!ウフフ」 「すっごい偶然だよね〜〜〜!」 「結構みんな変わったよね〜〜〜〜!」 まるで同窓会だ 4人が旧知の間柄とわかり、話がはずむ… のはいいが、まるで井戸端会議のオバチャンだ… そんな4人だったが、やはり腹がへってることに気付き、お昼休みへ― 総勢9人と一匹のランチタイム―先程までの殺伐とした雰囲気はどこへやら、だ… 早速、好奇心旺盛な妖精さんたちが、4人の間柄について尋ねる 要は… ・4人は匿名性特殊部隊「EX-ZYX(イクジックス)」に所属していた ことだ 匿名性特殊部隊EX-ZYX… ごく一部の人間しか知らない組織… 主な仕事はハロモニア王国の平和維持活動… そのための諜報活動や軍事活動を行っている… が、比較的平和な現在では、たまにしか出番は無い… 但し、いろんな分野のスペシャリスト揃いのエリート集団なのは違いない… その特殊部隊出身の一人が護衛してるのがりしゃこであることに、キューティーペアは驚く… 「…あまり詳しいは知らされてないケド…」とサキ… 「恐らく、王位継承の絡みかも?」とモモ… すると、キューティーペアが気色ばむ 「だったら…」 「…大仕事ね!」 いきなり、部外者なのに大盛り上がりだ… 「ぜひ、ここは護衛役を…!」 急に護衛役をかって出るキューティーペア ウラがあると思い、モモが「さっきまで私たちに襲いかかってたのに、信用ならないわ」と牽制する… 黙り込むキューティーペア… しばらくの沈黙の後、観念したのか、こう答えた… 「サイフ落とした!」 「助けて下さい!」 「じゃあ何?あなたたち追い剥ぎでもやろうとしてたの?」とサキの顔色が変わる… それに対し、 「違う違う。オレ達の腕前を披露して…」「用心棒の仕事にありつけたら…と思ってたの」 とキューティーペア そこへ 「バカねぇ!死んだフリすれば確実じゃないのウフフ」とモモがうっかり… そして、口を滑らせたことをモモは身を以て後悔する… 一人の少女が華麗に宙を舞った… また、扶養家族が増えるのに頭を痛めるサキ… さりとて、『仲間』という台詞を吐いた以上、『吐いたツバ、飲まんとけや!』状態に陥ってしまった… とりあえず、キューティーペアを近くの街まで送ることにした… その道中の馬車内は大変賑やかになった サキ達の昔話に始まり、妖精の村での出来事、ピーマッコ婦人の鼻をあかしたモモの大活躍… 特にモモはこっそりオ・カール一家に金貨の袋を忍ばせたことを自慢した… 『…あの時のピンクの物体は見間違いじゃなかったのね』と妙な安心をする一方、『そのお金、うちに入れんかい!』の会計係のサキ クマイ茸の話を聞いたマイミンが早速、ユリーナにキノコを見せて意地悪をしたり… あっという間に夜が更けていく…