ナッキーが目を覚ますのを待っていた面々だが、寝息をスースー立てているナッキーに対して、何故か、何となく無性に腹が立ってきた… 

真っ先にマイミンが 
从*・ゥ・从つ【柿の種】 
続けてエリカンが 
リl|*´∀`l|つ【枝豆】 

最後にチナリが 
从´∇`从つ【ピナッツ】 

を用意して、ナッキーを起こそうとしている… 

最初はやり過ぎだから止めようと思っていたモモも、素敵なラインナップにノリノリだ… 

ユリーナが制止するのも聞かず、作戦を決行する―



まずはチナリが恨み骨髄、とばかりにナッキーの鼻の穴にピナッツを詰める― 

全然、起きる気配のないナッキー… 

続けてエリカンが枝豆をナッキーの耳の穴に入れようとした時にハプニングが起きた! 

ポンッ!! 

鼻の穴に詰めたピナッツがナッキーの鼻息で飛んでいった… 

予想してたとはいえ、まさかこんなに早く起きると思ってなかった面々が大爆笑!! 

よじれる腹を抱えながら、エリカンは再度、鼻の穴に枝豆を詰めてみる― 

だが、今度はツルッと鼻の穴の奥に入ってしまった…むせてゲホゲホしてるが、やっぱり起きないナッキー 
またもや、一同大爆笑!! 
最後にマイミンがゆっくりとナッキーの口を開き、悪魔の食べ物・柿の種をガーッと流し込んだ!! 

口から味覚が伝わり、一気に目を覚ますナッキー… 

周りが大爆笑しているのと、何故か口の中に柿の種が入っているのかが不思議だった…



柿の種で目を覚ましたナッキー 

何故か増えてるギャラリーを尻目に、さっきまで一緒にいたユリーナを目で追うナッキー… 

ユリーナはナッキーのちょうど真後ろにいた― 
腹を抱えていたが… 

ユリーナがナッキーの視線に気付き、急に真顔になる…。それに合わせて急に笑うのを止めて、真顔になる面々 

「…大丈夫だった?」 
と、ユリーナがナッキーに問いかける… 

ナッキーも 
「大丈夫!」と答えようとするが、ここで二次災害が発生!! 

真顔のナッキーの鼻の穴から、さっきの枝豆が糸を引いてツルッと出てきた… 


我慢に我慢を重ねたが、耐え切れず、一同大爆笑!!中には腹を抱えて転げ回る輩もいる― 

だが、いたいけな少女・ナッキーの心は深く傷ついた― 

人目も憚らずぽろぽろと大粒の涙をこぼし、この場を走り去ってしまった!!



乙女の純情を踏み躙られて、涙をこぼしながら走り去っていくナッキー… 

さすがにその場が大爆笑から沈黙に変わる… 

我にかえってナッキーを走って追いかけるユリーナ…。更に、みんなも後を追う… 

が、ナッキーは見かけによらず足がそこそこ早かった!!ユリーナは差を縮めるどころか、引き離されないのが精一杯だ… 

そんなユリーナを 
「お先っ!!」と、 
あっさりマイミンが抜かしていく… 
チナリもそれに続く… 


そして、数分後― 

マイミンとチナリによってナッキーが取り押さえられた… 
その後遅れてユリーナが到着… 

泣きじゃくるナッキーをなだめる、という正念場を迎えた―



泣きじゃくるナッキー… 

もちろん、ナッキーの鼻から出てきたピナッツと枝豆を大爆笑したのが原因だが、その事実を告げるのは酷すぎる― 

否、ひょっとしたらナッキーは気付いているかも知れない― 

いずれにせよ、いくらイタズラといえど、やり過ぎだった… 

今、審判の時が来た― 


話し合った結果、ナッキーを刺激しないようにユリーナひとりで謝ることになった― 

まず、マイミンとチナリが取り押さえたナッキーを少し離れたところまで誘導する… 

そして、一呼吸置いてナッキーに「…ゴメン!!」と潔く謝るユリーナ… 

ナッキーからの返事は…



ナッキーからの返事は― 

パンッ!! 

強烈な平手打ちだった… 

ワナワナと震えるナッキー。そして、 
「あんなに笑うことないじゃない!!」とかなり怒っている― 

(やっぱり気付いていたんだ、ピナッツの事…) 
と、ユリーナひとりに謝りに行かせて悪い事した…と思う面々… 

そして、怒り狂ったナッキーがアンビリーバボーな行動に出る― 


「…私の恥ずかしいところ見たんだから、ユリーナの恥ずかしいところ…見せなさい!!」 
と言うなり飛びかかって服を脱がそうとする!! 

日頃おとなしそうなナッキーだけにとんでもない大暴走だ… 

予想外の展開+エロスにwktkな一同…



まさかの行動に出たナッキー 
無防備なユリーナを容易く押し倒し、服に手を掛ける… 
一方のユリーナは隙を突かれて、羽織っていたシャツを剥ぎ取られる… 

露になるユリーナの素肌…森の妖精らしく日にあまり当たらないせいか、醒めるような白さだ… 

思わず魅入ってしまうナッキー… 
その間にユリーナは胸元を押さえて、これ以上脱がされないようにガードする… 
が、足元がお留守なのをナッキーは見逃さなかった…すぐさま、ズボンを剥ぎ取りにかかる… 

ユリーナも必死にズボンをガードしようとするが、一瞬の差でズボンに手をかけられ、為す術もなく、剥ぎ取られてしまった… 

長くて美しい肢体が露になってしまったユリーナ… 
その肢体は、男女問わず見惚れてしまうものであった… 

ナッキーの豹変に恐怖を感じるユリーナ 
そのナッキーを恐れる姿がナッキーの、心の奥底に眠る虐待性に火を点けた!!



なおも執拗にユリーナの衣服を奪い取ることに執着するナッキー 

良心の呵責があるため、暴れるワケにもいかず、ただひたすら耐えるしかないユリーナであった… 

が、元を糾せばナッキーの勘違いから始まった話だし…と思うと、なんだか無性に腹が立ってきたユリーナ… 

そして― 

プツン… 

何かが外れる音がした… 

纏りつくナッキーを引き剥がして、突き飛ばす… 


クワッ!! 川# ゚∇゚)|彡 

目がイッてる…!! 

その人殺しのような目に今までの勢いが消え失せて、恐怖に怯えるナッキー… 

だが、残酷な悪魔はあまりにも無慈悲だ― 

竦んで動けないナッキーから、いきなりスカートから剥ぎ取った… 

まさかの攻撃に悲鳴をあげるナッキー… 


遠巻きに見ていたお姉さんズ+チナリも、ユリーナの『異変』に気付き、制止に動き出す―



ナッキーの執拗な責めに対して、ついに堪忍袋の緒が切れたユリーナ… 

まずは、スカートを剥ぎ取る… 
怯んだナッキーが下半身を押さえている隙に、次は上半身のシャツに手をかけ、それもあっという間に剥ぎ取ってしまった!! 

ほんの1〜2分前にナッキーにやられたことをたった数秒でやりかえしたのだ… 
「や、やめて…」と、力なくユリーナに訴えかけるナッキーだったが、それでもユリーナは“攻撃”を止めようとしない… 

肌着のみになったナッキー…。その肢体は、幼さと成熟が入り交じったものであった… 

奇妙な感覚と悦びを感じるユリーナ… 

遂にその手はナッキーの“最後の砦”まで迫った―



ユリーナの魔の手がナッキーの“最後の砦”まで迫った時― 

「ユリー!!ダメー!!」 
と悲痛な叫び声をあげながら、疾走するチナリ― 
ユリーナの暴走を止めるべく、飛び付こうとした… 

が、運悪く、その少し手前で蹴躓き、ユリーナの背中を「ドーン!!」と押す格好となった… 

その衝撃で、あり得ないほど吹っ飛ぶユリーナ 
勢いあまって木に頭を強打して気絶する― 


なんとか“暴走”は止まったが、気まずい雰囲気が漂っていた… 

その沈黙を破ったのが、モモだった― 

デートの件から、大爆笑した件まで包み隠さず話して「ごめんなさい」と謝った… 
その他の面々も、デート中をこっそりつけたり、冷やかしたりしたことを素直に詫びた… 

最初は聞く耳を持たなかったナッキーも次第に落ち着き、誤解を解いたのだった…



ナッキーの誤解が解け、少し雰囲気が穏やかになった時― 

先程まで気絶していたユリーナがムクリと起き上がる… 

もし、“暴走”したままなら全員で取り押さえる覚悟だ… 
固唾を飲んで、様子を伺う面々…。緊張が走る!! 


が、次の瞬間には大爆笑の渦に変わっていた― 

「ちょ、何よそれー!!」とモモが指摘したのをきっかけに、残りの面々もユリーナの顔を見て大爆笑した… 

「な、何がおかしいのよ!!」と怒るユリーナ… 
だが、本人は気付いていない… 

ふと、顔の鼻の辺りの、生暖かいものに気付くユリーナ…。そこに手を触れてみると、指先が真っ赤に染まった… 

鼻血だ… 

先程の大爆笑の原因はこれだった…



ユリーナの鼻血を見て、大爆笑する面々…。中にはナッキーも混じっている 

そして、遂には 
「ユリーナって結構、エロだよね!」「うん、エロ!エロ」「スケベ」と“エロ”呼ばわりされる始末― 


だが、先程までの重たい雰囲気が吹っ飛んだのも確かだ… 

ナッキーもすっかり笑顔だ…。その事に安心するユリーナ 

だが、まだ指を指されて「エロ」呼ばわりされるのが癪だっかのか、突然、拗ねてしまう… 
「あー、どうせウチは変態でエロですよ…」 

そんなユリーナの姿にキュンとなったのか、ナッキーがユリーナの背後から抱きつき、 
「私を“キズモノ”にした責任、取ってよね!!」とイタズラっぽく茶化す― 

「も〜〜〜〜っ!!」と頬っぺを膨らませるユリーナ…。その頬っぺを指で突くナッキー…。 


周りの後押しと冷やかしから始まったユリーナとナッキーのデートは、途中のトラブルもあったが、無事、終了した―



意気揚々と、仲良くアリ氏の屋敷へ向かおうとするユリーナ達 

その道中で、りしゃこ達とばったり出くわした 


「どうだった?楽しかった?」と挨拶代わりに尋ねるサキ― 

ユリーナ達は全員ニヤニヤしながら、 
「サイッコー!!」と答える… 
お返しに 
「で、そっちはぁ!?」と尋ねるモモ… 

すると、サキが「楽しかったけど…」と答え、 

「けど?」とモモが聞き返す 

「奇妙なことが起きたの…」と神妙な面持ちで事の顛末を話すサキ― 


りしゃこがはぐれて、謎の占い師に“力”をもらったせいか、少し背が伸びたこと…など 

その“謎の占い師”で、ユリーナが、手紙をカードをもらったことを明らかにした




“謎の占い師”からもらったカードをサキに手渡すユリーナ 

そのカードには『運命の輪』が描かれていた 

それを見て、サキの表情がサーッと青ざめていった… 
その表情の変化が気になって、「サキ、これ、一体どういう意味なんだ?」と聞くマイミン 

青ざめた表情のサキが答える… 


川´・_・リ<…サッパリわかりまセン 

ズコーッ!! 
一同、吉本新喜劇ばりのナイスずっこけ 

そんな中、エリカンが代わりに答える 
「『運命の輪』ってぐらいだから、何か大きく変化する予兆じゃないの?」 

言われてみれば、今回のりしゃこ急成長が運命の歯車が大きく変化する予兆とも取れる… 

そして、その変化をもたらしたのが“謎の占い師”―りしゃこから教えてもらった時には既に居なかった… 
「ねぇ!その占い師の名前って覚えてない!?」とユリーナに尋ねるサキ 

「え〜と、ハメ…ル、じゃなくて…」「…メーグルよ!」 
うろ覚えのユリーナの代わりに答えるナッキー…



謎の占い師の名前が“メーグル”と聞き、驚きを隠せないサキ、モモ… 
二人だけでなく、キューティーペアのマイミン、エリカンもだ… 

「ねぇ?何驚いてるの?」と、驚く4人に尋ねるユリーナ 

「…前に少し話したと思うけど…」と前置きしながら 
「彼女がEX-ZYX部隊の最後の一人なの…」とサキが言う… 

「別に昔の仲間なら、問題ないんじゃないの?」と再度ユリーナが言う 

「普通なら、ね…」少し表情を曇らせてエリカンがつぶやく 
「アイツは急に、失踪したんだよ…。何も言わず、な…」いつになく真顔でマイミンが言う 

「…ひとつ、考えられるのは、今さら姿を現して、何が目的でりしゃこに近づいた、だよね」とモモ 
りしゃこはハロモニア王国の要人の家系なので、何か意図があって近づかれてもおかしくない… 

「…どうする?」と、顔を見合わせるサキとモモ―



「どうする?」と顔を見合わせるサキとモモ… 
だが、メーグルにコンタクトを取ろうにも、行方不明なので向こうからの連絡待ちしかない… 

「ひとつ、手があるぜ…」声の主はマイミンだった 

「アイツの故郷はここから北の『メグミニラ』と聞いているが…」 

「そこまで行けば、ひょっとしたら、出会えるかもよ!?」とエリカンも付け加える 

何の意図があって、メーグルはりしゃこに近づいたかが気になる… 
サキとモモは相談の結果、次の目的地を『メグミニラ』に決定した―



謎の占い師・メーグルの後を追うべく、この街から北にある『メグミニラ』に明日から向かうことにしたりしゃこ一行 

この街での最後の夜だが、お世話になったり、お助けしたり…の縁があった富豪・アリ氏でゴチになることにした 

一同が食事を済ませた後、サキが代表してお礼を述べ、次の目的地の話をする― 
そこで、商売人のアリ氏から、目的地・メグミニラの情報を少し得ることが出来た… 

アリ氏が言うには、魔術が盛んなところで有名だが、住民はやや閉鎖的な性格らしい―とのことだ 
それと、アドバイスとして、メグミニラで『魔術師の杖』を手に入れたらどうか?との提案があった― 

「『魔術師の杖』って何だもん?りーちゃんにも教えてほしいゆー」と、サキに聞くりしゃこ 
「いい、りしゃこ。魔法はね、『杖』を使うことによって精度や威力が強くなるのよ」とサキが答える 

その話ですっかり目がキラキラと輝きだしたりしゃこ…



州*‘ -‘リ<りーちゃん『魔術師の杖』がほしいもん!! 

ノノl∂_∂'ル<ミヤもほし〜!! 

珍しく、駄々をこねるミヤりしゃ 
今までの戦闘で、もうちょっと魔法の精度や威力があったら…と思うことがあった二人 

その駄々をこねる二人に 
「じゃあ、買おっか!?」と答えるサキ 

「やったー!!」「ホントにいいの?」と喜びを爆発させる二人 

「今までは『杖』に頼ってほしくなかったから買わなかったの。でも、今の二人ならそろそろいいかな?って…」と言うサキ 

嬉しさのあまりサキに抱きつくミヤりしゃ 


そして、やがてアリ氏とのお別れがきた 
まるで『お父さん』のようにりしゃこ達に世話を焼いてくれた人だ… 
だから、最後は笑顔で別れることにした 

だが、アリ氏が「なんだか寂しくなるね…」と言うものだから、幼いりしゃこはやっぱり泣いてしまった… 
そんなりしゃこに優しく頭を撫でてやるアリ氏 

次はメイドさんたちにお別れだ…



屋敷でお世話になったメイドさんたちにお別れを告げるりしゃこ達… 

そこには4人いるはずのメイドさんが、3人しかいない… 

ナッキーだ 

聞けば、さっきまで仕事をしてたが、お別れの時になって部屋に引っ込んでしまった…という 

りしゃこ達は3人のメイドさんにお別れの挨拶をしたあと、ナッキーの部屋に案内してもらった 


ナッキーの部屋に着いて、皆を代表して、やっぱりユリーナが部屋の扉をノックすることになった 

コンコン… 

すぐに扉が開いた 
目を赤く腫らしたナッキーが出てきた 
泣いていたのだろう 

「…ゴメンね、こんな顔で…」と泣き顔を詫びるナッキー 

みんなが首を横に振る… 
誰だってさびしいのは同じだ… 

そして、今までなんとか耐えてきたナッキーがユリーナに寄りかかるように泣き崩れる―



泣き崩れるナッキー 
話せそうとするが、嗚咽で言葉が出ない… 

そんな様子を見兼ねてマイミンが、 
「ここは任せた!あとはよろしく!」とユリーナの背中を叩いて退散した… 

みんなもマイミンに倣ってナッキーの部屋を立ち去っていく… 

泣き止むまで、5分くらいはかかった… 
落ち着いたところで、ユリーナはナッキーにお別れの挨拶をした 
その間、ナッキーはずっとうつむいてばかりだった… 
そんなナッキーにユリーナが言い放つ 
「私が好きになったナッキーは笑顔が可愛いナッキーだから…もう、泣かないで…」 

ナッキーが急にプッ!と吹き出してしまった。 
「もうユリーナが男の子じゃないことは知ってるわよ!…でも…」 

「でも?」とユリーナが聞き返す 
「もう!」と言うが早いかユリーナのみぞおちにパンチするナッキー 
うずくまるユリーナ… 

「…嬉しかった…」と顔を赤らめながら小声で言うナッキー



嬉しさいっぱいで顔を赤らめているナッキーと、 
照れくさくて顔が真っ赤なユリーナ… 

だが、別れの時が訪れた… 
「ユリーナ!まだー!?みんな待ってるもん!!」とりしゃこが呼びに来た 
もうかれこれ30分くらいはたっただろう… 

慌てて部屋を出ようとするユリーナ 
そのユリーナをナッキーが呼び止める 

「待って、忘れ物…」 
「何?忘れ物って?」 

「!!」 
…ユリーナの質問が、ナッキーによって遮られてしまった 

「…私のこと、絶対に忘れないでね!」 

さっきの“質問を遮られたショック”でボーッとしているユリーナ… 

ただ、頷くしかなかった…



ようやく屋敷を出たりしゃこ一行… 

様々な思いを胸に明日を迎えるのだった… 

が、その晩に悲劇は起きた…



宿屋に戻り、寝る準備をする面々 

この宿では基本二人一組で泊まっていた 

今日の振り分けは… 
りしゃこ・ミヤビ・サキ 
モモ・ユリーナ 
マァ・チナリ 
マイミン・エリカン 
だった… 

今日のナッキーとの出来事に、なかなか寝つけそうにないユリーナ 

そんなユリーナにモモが声をかける… 
「なんか元気ないね」 
「そんなことないよ…」とユリーナが即座に答える 
「ふぅ〜〜ん…」心なしかニヤニヤしてるモモ 

「じゃあ…ナッキーに元気が出ることでもしてもらったんだ!!」 
「!!ちょ、何言ってるの!?」と声を上ずらせながら返事をしてしまったユリーナ… 

だが、モモの揺さぶりは止まらない 
「な〜〜んか、怪しいわね?ふぅ〜〜ん…」 
「な、何よ?」とまだ動揺が収まってないユリーナ 

ここでモモが畳みかける―



モモがユリーナに揺さぶりを掛けた後、畳みかける― 
「ねぇねぇユリー?」 
「な、何?」 
「口紅…、付いてるよ?」 
反射的につい、唇を押さえてしまうユリーナ… 

それが地獄の始まりだった… 

モモは鬼の首を獲ったような顔をして 
「…ふぅ〜〜ん?チューしたんだ…」 

いきなり図星を突かれるユリーナ 
「えっ?ちょ、な、何?な、何のこと!?」と明らかに狼狽してしまう… 

ナッキーとの出来事を確信したモモがさらに揺さぶりをかける… 
「もうバレてるんだから、カッコつけなくていいよ!…でもぉ、まだ白を切るんなら…み〜んなに、言っちゃおっかな〜!!」 

沈黙するユリーナ… 

「じゃあ…さっきユリちゃんはナッキーと何してたの☆カナ?」 

うつむいて黙り込むユリーナ… 

「素直に言ったら、誰にも言わないよ?」と、じわじわ追い詰めるモモ 

ユリーナの身体中から、恥ずかしさと恐怖で汗が吹き出ていた―



「じゃあ、これが最後だけど…さっき、ユリとナッキーは何してたの☆カナ?」 
遂に観念して、 
「…ナッキーにチュー…されました…」と弱々しく白状するユリーナ… 

「へぇ〜〜。チューしたんだナッキーと!」と嬉しそうに言うモモ 
「ちょ、声が大きい!」と狼狽えるユリーナ 

そんなユリーナを見てモモは 
「ウフフ 良かったぁ〜!落ち込んでなくってぇ〜!」と言う 

その一言で、ユリーナは 
(…もしかして、モモはウチのこと、励ますために…あんな事言ったのかな…)と感心していた 

が、次の一言で、それは大きな誤りだった…と悟った… 
「バラして欲しく無かったらぁ…モモにもしてくれるよね?」と言って唇を少し尖らせ、ユリーナの顔の前で突き出す… 

もう、針のむしろ状態のユリーナ…



一方、事件は同時に発生していた― 

りしゃこ達の部屋― 

ミヤビが遊び疲れて寝ようとしてるところへ、急にりしゃこがベッドにやってきた 

何だろ?と思いながらも眠たいので放っておくミヤビ。 
そうこうしてるうちにりしゃこがベッドに上がってきて、 
「ねぇ…ミヤー…」と甘えてきだした… 
りしゃこは寂しいと、いつもお姉ちゃんのミヤビに甘えてくる。それはいつも通りだ 

だが、今日に限って、 


州*‘ -‘リ<ねぇーミヤー…チューしてー! 

州*´з`リ 

…どうやら、屋敷でユリーナを呼びに行った際に目撃してしまったらしい… 

「…ちょ、ちょっと!」と慌てるミヤビ 

「ミヤはりーのこと、好きだもん?」 
「…いや、それは…」 
「だったらチュー!」 

執拗にりしゃこに迫られるミヤビ… 

ミヤビが助かったのは、程なくして、サキが戻ってきてからだった…



そして、朝― 

寝不足のユリーナ、ミヤビ以外は昨日、あれだけ遊んだのに元気いっぱいだ 

特にモモの顔がツヤツヤしている… 


いざ、宿屋を後にしようとした時だ… 

「ここでお別れだな…」「…そうね」と急にマイミン・エリカンが言いだす… 

「えっ?」 
その場にいた面々が言葉を失う 

「もう、いつまでもご厄介になるのも気が引けるし…」「私達でメーグルを追いかけてみよう、ってね…」 
「だからといって、もうちょっと後でも…」と言うサキの言葉を遮り、 
「手分けして探した方が早いだろ?」「見つけたら、アナタ達への一番の恩返しだし…」と強く語る― 

二人をマジマジと見つめたサキとモモは、二人の意志の固さを感じたのか、 
「…じゃあ、ここでお別れね!」「また…会おうね!」と清々しく別れの言葉を言う… 

残りの面々も思い思いに二人との別れを告げた… 


そして、宿屋の前で、振り向かず、別々の道を歩んだ…



そして、街の出入口― 

出発前にりしゃこ達を見送る人々がいた― 

この街で出会ったオ・カール一家とアリ氏の家族とメイドさん達… 

お互い、一人ひとりに声をかけながらお別れの挨拶を済ませていく… 

最後はみんな笑顔だった… 
やがて、りしゃこ達を乗せた馬車は、次の目的地・メグミニラへ向けてゆっくりと進んでいく― 


それから一時間後― 
某所― 

密談が聞こえる… 

(上手くやったなホワイト!) 
(さすが、EX-ZYX一の切れ者ね…) 
(当たり前じゃない!!でも…まさか、あの子があそこまで急成長してるとは思わなかったわ…) 
(で、どうなんだ?今回の任務の進み具合は?) 
(上々ね!きっと上手くいくわ!) 
(いよいよ本番が楽しみね…) 

様々な思惑が絡み合いながら、旅は続いていく―