「ふぅ・・・これで障害は全部きれいさっぱり消え失せたワケだな・・・」
不意に背後から聞こえてきた声にダッソーは素早く後ろを振り返る
『お・・・お前!?』
「なんだよ?オバケでも見たようなツラすんなよ!」
ダッソーに嫌味を言ったのは、押し潰されたハズのマイミン
「アラ?マイミンの顔がオバケみたいだからじゃないの?」
「オ・・・オイてめぇ!」
マイミンに毒を吐いたのはダッソーに一撃をもらって戦線を離脱していたメーグルだった
「これで、役者は揃ったわね!」
『お・・・お前もかっ!?』
「何よぅ!失礼ね!」
そして最後にモモが立ち上がった

「さあ!そろそろ年貢の納め時よ!」
ダッソーを取り囲む中、モモが叫ぶ
『くそっ!何なんだよお前ら!?』
やられてもやられても立ち上がってくるメーグル達に、ダッソーは心底辟易しているようであった
そんなダッソーにメーグルが痛烈に言い放つ!
「あたし達は、ヤグー長官の教え子・・・長官はいつも言っていた
『どんなに辛い時があっても、タンポポのように強く、しっかりと根を張って頑張れよ』って・・・
ダッソー・・・あんたから長官を取り戻すためなら、立ち上がってみせる!
何度でも・・・何度でも!」


「・・・てことだ。覚悟しな!」
メーグルが言い終えるのを待ってましたとばかりにマイミンがダッソーに襲いかかる!
『くっ!』
襲いかかるマイミンに向かってダッソーは苦し紛れに『炮閃華』を放ち、時間稼ぎをした後、逃走を図る
だが、多勢に無勢、ダッソーの行く先をモモとともいき組が封鎖していた!
『くそっ!退け退けぇ!』
周りを取り囲まれたダッソーは包囲網から抜け出さんと強行突破に打って出る
しかし、そうは甘くはなかった
「護れ!ともいき流忍法『守護守護』!」
ユウカリンが印を結ぶと突然、どこからともなく一陣の風が桜の花びらを纏い襲いかかるダッソーに向かって吹きつけた!
『うわっぷ!?』
視界を奪われたダッソーの脚が鈍る
それでも桜吹雪の勢いが止むことはない。それどころか、さらにユウカリンが強く念じる
「我に仇なす者よ!後悔せよ!」
桜吹雪に曝されたダッソーの身体には桜の花びらが付着し、ダッソーの動きを封じたのだ!
「チャンスでふ!ともいき流体術『七式・怒牙怒牙(どがどが)』!」
動かないダッソーに、今度はノッチが拳と蹴りによる連撃を繰り出してゆく
『うっ!?ぐっ!?ごほっ!』
流れるような七連打がダッソーの身体を駆け抜けていった!


ドサッ!!
『ゲホッ!ゲホッ!』
立て続けにともいき組の思わぬ攻撃を受けたことで、もはやダッソーは青息吐息となっていた
『チクショー!』
とても勝ち目がない・・・そう悟ったダッソーはなりふり構わす逃走を図る
しかし、身体が動かない!
「逃がしませんわよ!ともいき流巫術『反閇・網裏鎖姫(もりさき)』!」
見ると、ダッソーの両の脚には糸のように細い鎖が地面から出ていて、ダッソーに絡みついて離さない!
進退窮まった・・・完全にダッソーの“詰み”である
そんなダッソーに向かって、一歩、また一歩・・・と歩を進める者達がいた

「もう、終わりね」
「悪いけど、長官の身体から出ていってもらうわ!」
「オレ達5人には敵いっこないんだよ!」
「メーグル、掛け声をよろしく♪」
「冥土の土産に持って行きなさい・・・EX-ZYX合体奥義『FLY-HIGH』!」
掛け声を終えたメーグルが地面に拳を突き立てる!
すると、巨大な水柱が地面から飛び出てダッソーの身体を宙に舞わせた!
「行くよ!」
「「おう!」」
宙を舞うダッソーの身体を後追いするように、サキ、モモ、マイミン、エリカンも宙に舞う
そして闘気を帯びた魔力を四方から一斉にダッソーに浴びせたのだ!


『ぐはあっ!!』
防御もままならない状態での集中攻撃に、ダッソーは断末魔にも似た悲鳴をあげる
やがて宙に舞った身体は勢いもそのままに地面に叩きつけられた
ドサッ!!
数秒経ってもピクリとも動かない・・・

「やった・・・!」
遂にメーグル達は、曲者・ダッソーを撃破した
だが、そこに喜びはない
あるのはヤグーの身体からダッソーを追い出すことが出来なかった自責の念だけ・・・
やむを得ず、とはいえ、あれだけの集中砲火をヤグーに浴びせたことがメーグル達の心に、重くのしかかっていく・・・

するとしばらくして、動かなくなったヤグーの身体から黒い霧が立ち上ぼり始める
その黒い霧がやがて形を為し、巨大な熊の姿をした半獣人へと変化したではないか?
『くそっ!あと一歩というところで・・・!』
巨躯を震わせ、正体を現したダッソーが吼える
『面倒くせえ!お前らまとめてペチャンコにしてやる!』
そう叫ぶと大上段から丸太のような太い腕をふりかざし、メーグル達に次々と殴りかかっていく
「しぶといわねっ!」
そう思わずメーグルが叫んだ程だ
皆、ダッソーとの戦いを終えたばかりで疲労困憊、もう身体も限界に近づいているのだ


『オラオラーッ!どうしたどうしたーっ!』
辺りの瓦礫と化した廃墟を次々と粉砕しながら半獣人・ダッソーはメーグル達を執拗に追いかけ回す
防御することも敵わない怒涛の攻めが疲れた身体に堪えてくる
ダッソーを除く全員の疲労が、もはや限界値を越えていた
「うわっ!?」
やがて逃げ回っているうちに疲労からか、メーグルが足をもつれさせて派手に転倒してしまった
「メーグルッ!?」
その場に取り残されたメーグルを見て、サキが悲鳴をあげる
しかしメーグルはなかなか起き上がることも出来ず、逃げることもままならない状態になっていた
今すぐサキ達が引き返したとしても間に合わない
もし、奇跡的にサキ達が間に合ったとしても防御出来ないダッソーの攻撃をどう凌げというのだ!?
そんな最悪の状態の中、無情にもダッソーの大木のような太い腕がメーグルに向かって振り下ろされてしまった!
「きゃああああっ!?」
目の前で繰り広げられる最悪の瞬間・・・誰もが目を背けてしまう
しかし、一人だけは違った・・・

「喰らえっ!」
甲高い叫び声が静まった空気の中に響き渡る!
バシィィィ!!
何かが当たった音がした後、再びその場が静まり返る・・・
一体、何が?・・・そう思った一同がメーグルのいた場所に目をやった
するとそこには腕を振り上げたまま硬直して動けないでいる半獣人・ダッソーの姿があった


「何?って・・・知ってるだろ?そいつは『愛の装甲機神』ってヤツだ
それを装着すると・・・後はどうなるかわかってるだろ?」
聞こえてくる懐かしいその声に、歓喜の声があがった
「「長官!?」」
「喜ぶのは後だ!オイラがコイツの動きを止めてるうちに早く!」
喜びも束の間、長官・ヤグーの“指令”にメーグル達以下EX-ZYXのメンバーが攻撃態勢に入った!
「メーグル、いける?」
「・・・何言ってんの?当たり前じゃない!」
サキの問いかけに、メーグルは少し声を詰まらせながら返事する
その声が少し涙声だったことを気にも留めず、全員が攻撃準備を完了させた
「もう一丁!EX-ZYX合体奥義『FLY-HIGH』!」
メーグルのかけ声とともに半獣人・ダッソーの巨躯が大きく宙を舞った!
そして後を追うように4人が宙高く跳躍する!
「聖なる炎で燃え尽きろ!必殺拳『不死鳥』!」
「ドーン!と行くわよ!忍法『豪華絢爛・大花火』!」
「命短し、恋せよ乙女!美技『月下氷人』!」
「吹けよ風、呼べよ嵐・・・秘技『暴風雨(ブーフーウー)』!」
4人の奥義が一度にダッソーへと降りかかる!
『そんな・・・バカなあああーっ!』
断末魔の叫びをあげながら、半獣人・ダッソーは4つの奥義によって生まれた光の渦に呑み込まれて消えていった・・・


「やった・・・」
光の渦の中へと呑み込まれて消え去ったダッソーの姿を見届け終えると、ようやく一同から安堵の声が洩れた
と、同時に激闘後の疲労が一同の身体に不意に襲いかかってきた
「あぁ〜、疲れた〜!」
一同はそう口々に言うと、疲れた身体を地面に投げ出して晴れ渡った青空を見上げる
ひんやりとした石畳の地面と、駆け抜けるそよ風が涼しくて火照った身体に心地よい
激闘による疲労感より何より、一同の身体には激闘の末の勝利の余韻と喜びで満ち溢れていた
そんな中、不意にくたびれた声が聞こえてきた
「おい・・・オイラのことは無視かよ・・・」
「「あっ!!」」
一同はすっかり忘れていた・・・今回の目的にして標的の存在を
「長官!?」
正気に戻ったヤグーの元に、EX-ZYXのメンバーであったメーグル、サキ、モモ、マイミン、エリカンが急いで駆けつけた
「長官!大丈夫ですか!?」
弱り果てたヤグーの姿を見て、メンバーが心配そうに尋ねる
「バカ!大丈夫な訳ないだろ!?あんだけ喰らったらフツウのヤツならとっくに死んでるぞ!?
ホント、お前らオイラに恨みでもあるのか!?」
メンバーを見るなり、いきなりマシンガンのようにまくし立てるヤグー
だが数秒後、少し俯いて、照れくさそうにポツリと言った
「強くなったな・・・この野郎・・・」


「長官・・・!」
いつになくしおらしい上司・ヤグーの姿にメーグル達も思わず目頭が熱くなる
そして感情を抑え切れず泣き崩れたのが誰よりも長くヤグーの傍にいたメーグルであった
「うぅ・・・」
ヤグーの胸に顔を埋め、人目を憚ることなくメーグルはむせび泣いた
いつもと違うヤグーにいつもと違うメーグル・・・
普段であれば、メンバー達はここぞとばかりに2人を茶化し、囃すところであろう
だが、ヤグーとメーグルの間には、自分達には知り得ない、2人だけの堅い絆があることを知っていた
だから何も言わずにそっとしておいたのだ

それからどれだけ時間が経ったのだろう
ようやくメーグルが泣き止んだところで、ヤグーが事の顛末を語ろうとする
「まず、みんな・・・ホントにゴメンなさいっ!」
開口一番そう発したヤグーは突然全員を前にして土下座したではないか?
「ちょ、ちょっと!?」
「長官!?頭を上げてくださいっ!」
自分達より一回り近く年上のヤグーに頭を下げられ、一同は困惑する
「でも、オイラはみんなにスゴく迷惑かけたし・・・」
「いいんです!何も長官だけのせいじゃないんですから!」
メーグル以下、EX-ZYXのメンバーは必死にヤグーをなだめる


「いや・・・全部オイラのせいなんだ。オイラ一人のわがままがこの世界をメチャクチャにしたんだ・・・」
自責の念に駆られ、地面に手をついてうなだれるヤグー
乾いた石畳に幾つかの水滴がこぼれ落ちる
その様にメーグル達EX-ZYXのメンバーは胸が締め付けられる思いだった
ヤグーに慰めの言葉をかけようにも、うまい言葉が見つからないのだ
重苦しい静寂の中、ただ時間だけがゆっくりと過ぎていく

そんな中、突然空から何かが落ちてきて、うなだれているヤグーの頭にまるで計算したかのように見事にヒットする
ゴツン!!
「痛てっ!?」
鈍い音がして、頭を押さえてうずくまるヤグー
「チキショー!誰だよ一体!?」
突然襲った痛みにカチン!ときたヤグーは顔を上げて犯人探しを始める
すると、ヤグーの目の前に見慣れた“あるもの”が目についた
「これは・・・」
目の前のものを素早く手に取ってまじまじと凝視する
ヤグーの手にしたもの、それはダッソーの動きを封じ、そしてダッソーとともに光の渦の中に消えていったハズの“愛の装甲機神”だった
「どうして・・・ここに・・・?」
消えたハズの“愛の装甲機神”が再び現れた理由が解らずヤグーは戸惑ってしまう


「怒ってるんですよ・・・“相棒”が」
戸惑っているヤグーに、そうサキが答えた
「“相棒”・・・だって?」
サキの不可思議な答えにヤグーはますます戸惑うばかり
「あっ!そうか!」
突然、思い出したかのようにモモが口を開いた
「長官がくよくよしてるから、“相棒”がゲンコツを落としたんですよ!
『コラッ!しっかりしろ!』って」
初めは2人の言ったことがとんちんかんにしか聞こえなかったが、よくよく考えてみると何だかその通りにも思えてきた
過去の終わったことを嘆くよりも、今起きていることを如何に解決することの方が大切か・・・
そんなことを、物言わぬ“相棒”が教えてくれたのかも知れない
「それに、もし“相棒”がホントに長官のことが嫌いだったら、わざわざこんなとこまで戻ってこないですよぉ!」
モモの追い討ちの一言に、ヤグーはプッ!と吹き出し、涙顔がいつしか笑顔に戻っていった
「そっか・・・そういうことだったんだ・・・
ありがとう、“相棒”!これからもヨロシク!」
そう言うと、ヤグーは手に持った“愛の装甲機神”にそっと接吻をした
しかし、次の瞬間、
「ぎゃあああーっ!」
「長官・・・キモいです・・・」
と、EX-ZYXのメンバーがドン引きしてるではないか?
「ちょっと!?何よあんた達!?」
囃し立てるメンバーに、そう怒り出すヤグーであった


それからしばらくして―
「よっしゃ!行こう!」
自らの顔をパァン!と平手で打って喝と気合いを入れるヤグー
その行動は、過去の自分自身の忌まわしき記憶からの呪縛を断ち切る、決別の“儀式”のようにも見えた
完全復活を果たした長官・ヤグーのかけ声に呼応するように、メンバーも
「了解です!」
と、元気よく返事をした

そして帰還への第一歩を踏み出す前に、ヤグーはやおら後ろを振り返り、一同に向かって語り出した
「これから城に戻る前に、きちっと話しておきたいことがあるんだ・・・ちょっとだけ、いいかな?」
再びシリアスな口調に変わったヤグーの語りかけに、全員が静かにして言葉を待った
「なぜ、オイラがこの世界を破壊しようとしたかを・・・」
「いいですよ」
語り出そうとしたヤグーの言葉をマイミンが急に遮った
「いいじゃないですか?そんなこと」
「そ、そ、そんなことだって!?」
これから大事なことを話そうとしているのにマイミンに“そんなこと”とバッサリ切り捨てられて、ヤグーはカチン!ときた
だが、マイミンの言葉にはまだ続きがあったのだ
「そんなことよりも、長官が元に戻ったことの方が大事なんですから」


「マイミン・・・」
何気ないマイミンの言葉がヤグーの心の琴線に触れ、ヤグーは言葉を詰まらせた
そしてふと周囲を見回しても、みなマイミンと同じ気持ちなのか、優しい笑みを浮かべている
「そっか・・・」
目に浮かべた涙を拭って真顔になったヤグーは、再び元気よく一同に呼びかけた
「みんな!これから至急、ハロモニア城に帰還する!みんなでマヤザックを止めるんだ!
だからみんな、オイラに力を貸して!」
「「ハイッ!」」
ヤグーの呼びかけに、全員が即答した
大好きなこの世界を守りたい・・・断る理由などあろうものか
みんなの気持ちが一つになったことを確認したヤグーは号令をかける
「じゃあ、出発だ!みんな、オイラについてこい!」
「「おー!!」」
ヤグーが駆け出すと、それに全員が追随して駆け出した
「それから・・・帰還する道中、敵及び逃げ遅れた人を見かけた場合はそっちを最優先すること!いい?」
「「ハイッ!」」
ヤグーの指示に全員が素直に返事する
そんなやりとりをしているうちに、ヤグーはふと、長官としてEX-ZYXのメンバーを指導していた時のことを思い出したのだ
(そういえば、こんな感じだったよな・・・
あの時はガキのお守り役をムリヤリ押しつけられたと思って、嫌々やってたっけ・・・
でも・・・今はけっこう楽しいな)


そんな妄想をして、ボーッとしているヤグーのすぐ側を、マイミンが
「長官!お先に!」
と言って、あっという間に追い越していった
「あっ!?」
するとマイミンに右へ倣えとばかりに、一同が次々とヤグーを追い抜いていく
「長官、お先行ってきます!」
「長官、遅いですよ?運動不足ですか?」
「「お先失礼しますっ!」」
「ちょ・・・!ちょっと待ってよみんな!」
若い者には負けまい、とヤグーも必死にペースを上げて一生懸命短い脚で走っていく

「あーあ、無理しちゃって・・・」
「ホント、負けず嫌いなんだから・・・」
若者に負けじと必死に走るヤグーを、メーグルとモモが冷ややかな目で眺めていた
「けっこうウチの若い衆もやるでしょ?」
そうモモが威張ってみせる
モモの言う“若い衆”とは無論、お庭番・ともいき組のユウカリン、ノッチ、モリティのことである
「ずいぶんと頼もしいわね。で、モモ?あの子達のこと、どうするつもりなの?」
メーグルはユウカリン達3人の身を案じて“頭領”のモモに尋ねたのだろう
いわば“部外者”である3人をこれ以上の危険が予想される戦いから遠ざけたい・・・と
だが、モモは即答した
「どうもこうもしないわよ!こうなったら最後までいくしかないでしょ?」


「じゃああの3人を最後まで連れていく・・・ってこと?」
「そうよ♪」
メーグルが問い質すとモモはキッパリと即答した
「だってさ、今日明日にもこの世界がどうなるか?って時に、安全な場所なんてもうどこにもないじゃない?」
「それも、そうね・・・」
モモの“正論”にメーグルも同意する
この期に及んでわざわざあの3人と別行動を取る意味などないのだ
「それに・・・」
「何?」
モモが言葉の続きを言う前に、前の方から叫び声が聞こえてきた
「おい!ゴーレムがまだいたぞ!全員戦闘準備!」
「了解です!こちらともいき組、先行して側面から撃破に移ります!」
「オッケー!ではこちらは正面から取りかかる!」
司令塔・ヤグーとユウカリン達ともいき組のやりとりを聞きながらモモがニンマリと言った
「どう?ウチの子分はけっこう頼りになる戦力でしょ?」
「なるほど、ね・・・」
モモの言う通り、元気いっぱいの3人は今の自分達にとって貴重な戦力に違いない・・・
メーグルがモモの言葉に頷いていると、突然、前を走っているヤグーから怒号が飛んできた
「おい!モモ、メーグル!早く加勢に行け!何チンタラしてるんだ!?」
「「ハ、ハイッ!!」」

―こうして、“姫君”モモの後を追ってきた“子分”ともいき組が改めてハロモニア城に仕官し、
とりわけ活躍したユウカリン=アオイ=カモが伝説の“守護お庭番”となるのはまた別のお話・・・