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黒魔術師りしゃこ(34)【州*‘ -‘リ】
- 1 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 20:53:03.27 O
- 前回の続き
ヨッシーノ達が入場門を潜り抜けると、大観衆による大歓声が待ち受けていた
やはり、歴代の『暁の乙女』の隊長とエースということもあり、好意的な声援が自然と集まる
ヨッシーノ達も謎の手紙の一件で気分は晴れないが、観衆の声援に手を振って応えてみせた
二人が入場し終えた後、大観衆は対戦相手のミキ帝達の入場に注目が集まる
しばらくして、大観衆が固唾を呑んで見守る中、ミキ帝達が姿を現した
と、同時に会場の一部から凄まじい声援が巻き起こった!
「「ミキ様ミキ様お仕置きキボンヌ!」」
声の主はややむさ苦しい男連中だ
・・・どうやら、ミキ帝の試合後の『お仕置きタイム』がお目当てらしい
「ちょっとぉ〜!ミキたんが試合後にあんなことするから変なのが喜んでるじゃない!?」
「・・・う、うん(笑)ゴメン、アヤちゃん・・・」
いつもはすました表情のミキ帝も、男連中の声援にはさすがに苦笑せざるを得なかった
- 2 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 20:57:56.47 O
- 現在新狼にて連載中
黒魔術師りしゃこ【緊急避難】
http://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/morning/1198657321/
- 3 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 21:15:16.50 O
- 《登場人物》
州*‘ -‘リ【りしゃこ】
主人公。魔法使いの卵。
幼い頃、母親と別れ、孤児院で育つ。
『母親に会いたい』という夢を叶えるため旅立ちを決心する。
感受性豊かで誰よりも優しい女の子。
世にも珍しい『光』の魔法の資質を持つ。
ノノl∂_∂'ル【ミヤビ】
魔法使い見習い。
両親はエリート魔導師だが、訳あって両親と別れ、りしゃこと同じ孤児院で育つ。そのため、りしゃこには姉のように慕われる。
りしゃこが旅立つにあたり、一緒に旅に出る。
両親から受け継いだ紅の『炎』の魔法を操る。
川´・_・リ【サキ】
孤児院でのりしゃこやミヤビの監視係兼保護者。魔法使い。
真面目で努力家。読書を好む。
りしゃこ、ミヤビとともに旅立つ。
癒しの『水』の魔法を使う。
ル*’-’リ【モモ】
りしゃこ達が旅の途中で出会った行き倒れ。
恩人であるりしゃこ達に恩返しをするため一緒に旅をすることに・・・
物怖じしない性格で我が道を行くタイプだが、けっこう気配り上手な面も。
『火』の魔法?を扱う。
- 4 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 21:16:31.59 O
- 《登場人物2》
从o゚ー゚从【マァ】
妖精。しかし、魔法よりも肉弾戦の方が得意。
温厚で包容力があり、りしゃこには母親のように慕われる。
大地を揺るがす【土】の魔法を使う。
从*’w’)【マイハ】
妖精。マァとは対照的に魔法が得意。
恥ずかしがり屋で人見知りする性格。
クールに【氷】の魔法を使いこなす。
川*^∇^)|【ユリーナ】
長身痩躯のライトエルフ。
本来は人間嫌いだったが、りしゃこ達との出会いで少しずつ心を開くように。
全てを貫く【雷】の魔法を駆使する。
从*´∇`)【チナリ】
長身痩躯のダークエルフ。
ユリーナとは対照的に人懐っこい性格。
いつの間にかりしゃこ達の仲間に。
全てを吹き飛ばす【風】の魔法を得意とする。
- 5 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 21:17:58.11 O
- 《登場人物3》
从*・ゥ・从【マイミン】
武闘家。またの名を、『東西南北究闘不敗(マスターキュート)』。
卓越した戦闘能力と武術でどんな敵でも打ち倒す。
ただし、本能で動くタイプのため、あまり頭はよろしくないのが玉に瑕。
身体能力をアップさせる活力の【炎】の魔法を知らず知らずのうちに使っている・・・
リl|*´∀`l|【エリカン】
マイミンのパートナー。良き理解者にして保護者。
割と常識人で人当たりも良いが、マイミン同様、あまり頭はよろしくない。
『クールビューティー』を標榜としており、【氷】の魔法でマイミンのサポートに努める。
洲*` v ´)【アイリーナ】
州´・ v ・)【アイリーネ】
ハロモニア王国きっての天才魔術師。双子。
双子ながら性格は正反対で、アイリーナは勝ち気、アイリーネはおっとりしている。
同年代のりしゃこを密かにライバル視している。
双子ならではのコンビネーション技を得意としており、そこから繰り出される【水】の魔法は全てを流し去ってしまうほど。
- 6 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 21:18:45.06 O
- 《登場人物4》
リ|*‘ヮ‘)|【メーグル】
魔術師。訳あってりしゃこの旅のサポート役に。
頭脳明晰の切れ者。変装や諜報活動に秀でている。
変幻自在の【水】の魔法で敵を翻弄する。
リ ・―・リ【チッサー】
りしゃこ達が初めて訪れた街で出会った元気いっぱいの女の子。商人の娘。
りしゃこと意気投合してすっかり友達に。
ノソ*^ o゚)【ナッキー】
りしゃこ達が途中で出会った薄幸そうなメイド。
なぜかトラブルに巻き込まれやすい。
ある事件をきっかけに、今では見違えるほど明るくなった。
ノk|‘−‘)【カンニャ】
大富豪の一人娘。無口で寂しがり屋。そのためか、性格はかなりエキセントリック。
変な性癖を持っていることから、違った意味でみんなから恐れられている。
(o・ ・)【マイ】
子供であることを武器にする計算高い悪戯っ子。
頭の回転の速さは従姉妹のメーグルも一目置くほど。
- 7 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 21:26:54.15 O
- テンプレは以上☆カナ?
- 8 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/24(土) 22:09:24.38 O
- 保全
- 9 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/24(土) 23:06:23.52 O
- 州*‘ -‘リ
- 10 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/24(土) 23:19:30.52 O
- 会場内がヨッシーノ達への黄色い声援と、ミキ帝達へのどす黒い声援が入り混じる中、試合の準備が着々と進められていった
「・・・いい?ちゃんとルールに則って試合をするのよ!?
間違っても感情的になって“暴走”することのないように!
わかった?」
歴代の隊長とエースがぶつかり合えば、壮絶な戦いとなるのはほぼ確実であろう・・・
それを予見した審判・ヤススが再三に渡って両チームに注意を促し、釘を刺した
「大丈夫だってケメちゃん!」
「もう〜心配性なんだから〜♪」
ヨッシーノ達はヤススに余計な心配をかけまいと、わざとからかって明るく振る舞ってみせた
一方、からかわれたヤススは、
「こら〜!『ケメ子』言うな〜!」
と、審判に対して敬意を払わないヨッシーノ達を怒鳴り散らして追い掛け回す
その三人の絶妙な掛け合いの様子を見た大観衆からはどっと笑いが起きる
が、しかし、ヤススもまた、心配させまいと振る舞うヨッシーノ達の心中を察し、わざと怒った“フリ”をしてたのだ
- 11 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 00:44:12.74 0
- さっそく保全
- 12 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 02:28:49.98 O
- 保全します
- 13 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 02:32:54.97 O
- 一方、試合開始の少し前
「ねえ〜ミヤ〜!早くぅ〜!」
「ち、ちょっとぉ〜?どうしたのよ〜?」
昼食を採ってくつろいでいるミヤビの手をりしゃこが引っ張る
「早く行かなきゃ!」
「行かなきゃ・・・って、まさか・・・ヨッシーノさん達の試合!?」
「うん!」
「え〜っ?ダメじゃん!ヨッシーノさんが『来ちゃダメ!』って言ってたでしょ!?」
「うん・・・でも・・・」
「いい、りしゃこ?ヨッシーノさんはね、今日の試合はとても見せられる試合じゃないかも・・・って言ってたのよ
だから、大人しくしてなきゃ!」
ヨッシーノ達の応援に行きたがるりしゃこを、ヨッシーノの言い付け通りなだめるミヤビだった
が、りしゃこは首を縦に振らない
「見ていたいんだもん・・・」
「どうして?怖くないの?すごくひどい試合になるかも知れないんだよ!?」
「・・・わかんない。でも、見てなきゃきっとダメだと思うもん・・・」
本当はミヤビも同じ気持ちだった
ヨッシーノに止められていても、どんなに凄惨な結末が待っていたとしても、二人の“生き様”を見届けたいのだ
ミヤビは少しため息をつき、呆れ顔をしてりしゃこに言った
「わかった・・・行こう!」
- 14 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 02:57:56.59 0
- 途中ですみません
作者さん苦魔の方に一言書き込んで下さい
- 15 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 04:10:38.60 O
- >>14
了解しました
- 16 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 04:19:16.73 O
- 再び、舞台は闘技場へ―
「じゃあ、そろそろ試合だから、両チームとも、所定の位置に着いて!」
試合前のルールチェックを済ませたヤススが両チームを所定の位置まで引き離そうとする
が、その離れ際、不意にミキ帝がヨッシーノに声をかけた
「あの手紙、読んだよね?」
「!?」
ミキ帝の一言に、ヨッシーノの思考が停止した
と、同時にピタリと固まってしまった
そのヨッシーノの意外な様子にミキ帝は怒り出す
「ちょっとぉ〜ヨッちゃん!?あれ、アタシからだってすぐわかるじゃん!?信じらんない!」
「まぁまぁまぁ・・・ミキたん、落ち着きなよ!」
すっかりご立腹のミキ帝をアヤヤがなんとかなだめて試合の準備に急がせた
踵を返して立ち去っていくミキ帝達の背中をヨッシーノは呆然と見つめていた
そのヨッシーノの肩をリカサークがポンポン!と叩く
「ヨッちゃん!ボーッしてないで!ほら、アタシ達も準備するわよ!」
そして、固まっているヨッシーノの手を引っ張って連れていく
(ちょっと待てYo?・・・あの手紙、ミキ帝が送り主なんだろ!?
じゃあ、あの中身はなんなんだ!?)
胸の中のモヤモヤがスッキリしないまま、試合を迎えた
- 17 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 04:39:35.40 O
- ヨッシーノの胸のモヤモヤが晴れないまま、試合が始まる
「それでは・・・試合始めっ!」
「うおおお〜っ!」
「いくぜぇぇぇーっ!」
ヤススの号令が発せられた瞬間、二つの“影”が勢いよく飛び出した!
二人のスピードの乗った飛び蹴りが闘技場中央で交錯した!
ガシィィィン!!
勢いよく激突した二つの“弾丸”は反発しあう磁石のように後方へ弾け飛んだ
「細かいことは抜きだ!ミキ帝、かかってこい!」
「言われなくても、そのつもりだよ!」
血気盛んな二人が挑発しあい、再び、飛びかからんとする
が、それを互いのパートナーが止めた
「落ち着いてヨッちゃん。まだ、始まったばかりじゃない?それに・・・」
「それに?」
ヨッシーノがリカサークと会話していると、闘技場が姿を変え始めた
「ああ、まだ戦いの場が決まってなかったっけ?」
「そうよ。全く、慌てん坊さんなんだから!」
「こんな時だけ嫁さん面するなYo!」
「いいじゃん?どうせヨッちゃんの嫁さんがつとまるのは、アタシぐらいだから!」
「・・・言ってろYo!」
ヨッシーノとリカサークが言い合ってるうちに、闘技場が変化を終えた・・・
- 18 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 05:24:49.75 O
- すっかり姿を変えた闘技場・・・
四人の目の前に、月明かりに照らされた寂れた教会が出現した
その教会を目の当たりにして、ヨッシーノ、ミキ帝が独りごちる
「・・・教会か。中に入れば人目につかないな。決着をつけるにはちょうどいいな」
「教会、ねえ・・・アタシに“贖罪”でもさせるつもりなのかねえ・・・」
そして、四人は誰からともなく、吸い込まれるように教会の中へと消えていった・・・
そして、教会の中―
薄暗い室内を、窓から入ってくる月明かりと蝋燭が照らしている
「どうやら、役者は揃ったようだな!」
「そうね・・・じゃあ、盛大にパーティーでも始めようか!」
ヨッシーノとミキ帝の掛け声を合図に、再び両チームが動き出した
「ここでくたばってもらうよ!」
ミキ帝がヨッシーノに飛びかかると同時に、トンファー・ブレードによる連打を繰り出した
ヒュン!ヒュン!ブゥン!
ヨッシーノの顔のすぐ側をトンファー・ブレードがかすめる
「ヒュウ〜♪やるじゃん!流石は元・親衛隊長!」
「ハン!誉めたって何も出ないよ!それよか、全力でこないと秒殺しちゃうよ!」
「・・・わかったよ。お望みとあらば、いかせてもらうよ!」
- 19 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 06:29:21.01 O
- 「オレもそう易々とやられるワケにはいかないんでね!
ちょっくら本気を出させてもらうYo!」
殺る気マンマンのミキ帝の連撃を紙一重で躱し、一瞬の隙をついて距離を取ることに成功した
「待てぇ!」
後を追おうとするミキ帝
が、その直後、
ヒュォォン!! パシィィィン!!
ミキ帝の足元で風切り音と衝撃音がした
「悪いけど、ヨッちゃんには近寄らせないわ!」
音の正体は、リカサークの鞭による一撃だった
「・・・チッ!この出しゃばり女!」
「何とでも言って頂戴!アタシは勝つためだったら何だってするわ!
・・・それが例え、かつての“仲間”でもね!」
リカサークの顔つきからは笑顔が消え、思い詰めた表情になっていた
いつもは見せないリカサークの裏の顔に、ミキ帝の顔つきも真剣そのものになっていた
そんな逸る気持ちを抑えられないミキ帝をアヤヤが諫める
「ミキたん、ちょっと先走りすぎだよ?」
「アハハ・・・ゴメン。ついムキになっちゃったか・・・」
「もう!しっかりしなよ!」
- 20 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 07:43:31.09 O
- 「ふーん、ずいぶんと余裕なのね・・・でも、これでも余裕でいられるかしら?」
「!?」
リカサークの声に気付き、ミキ帝とアヤヤが視線を移すと、その先にはヨッシーノが呼吸を整え始めていた
「ふぅぅぅー!・・・はぁぁぁー!」
「・・・ねえ、ミキたん?何よアレ?」
「わっかんない・・・アタシも初めて見る・・・キモッ!」
最初のうちはヨッシーノの様子を不気味がる二人だったが、そのうち考えが変わった
「でもさ、これってメチャクチャ隙だらけじゃん?」
「んじゃ・・・殺っとく?」
「賛成♪」
アイ・コンタクトを交わした二人は無防備なヨッシーノに向けて、一直線に駆け出した!
「ホラ、ボサッとしてるんじゃないよ!」
「ずいぶん余裕だな・・・ナメてんのかー!?あーっ!?」
あっという間に間合いを詰めた“狂犬”と“狂猿”がヨッシーノに飛びかかった!
・・・が、飛びかかった瞬間、二人はある種の“違和感”を感じたのだった
絶対的不利な状態にも拘らず、微動だにしないヨッシーノと、全く手出しをしなかったリカサークに・・・
数秒後、その“違和感”の正体がわかった時には、二人は地面を這いつくばっていた
- 21 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 08:44:01.41 O
- ビターン!!
「はべらっ!?」
「ぶべらっ!?」
ヨッシーノに向かって一足飛びに跳躍した二人だったが、
目に見えない、“不自然な引力”によって地面に身体が吸い寄せられ、その後、地面に身体を強かに打ち付けた
「・・・痛っ〜!」
「・・・ちょ、何なのよ!?」
何が起きたかわからなかった二人は、状況判断をするべく素早く辺りを見回した
「!?」
月明かりと蝋燭の光だけの、薄暗い室内をよく目を凝らして見てみると、
二人の足元には、いつの間にか二本の“線”が伸びていることに気付いた
そして同時に、それが“不自然な引力”の正体とも気付いた
「ねえ、アヤちゃん・・・コレ・・・」
「・・・あのクソアマ!一丁前に、このアタシに“罠”を仕掛けやがって!」
二人の足元に絡み付いていたのは、植物の蔓・・・そう、リカサークが仕込んでいたものだった!
「あら、気に入ってくれたかしら?アタシからのプ・レ・ゼ・ン・ト♪」
“罠”にかかった二人の神経を逆撫でするように、リカサークはおどけてみせた
・・・が、
「・・・キモッ!」
「・・・オエッ!」
二人の心ない言葉に、心の傷を負ってしまった・・・
- 22 名前:外伝担当。。。 ◆GQ0CKkKqlU :2008/05/25(日) 09:26:54.29 0
- お疲れ様です
- 23 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 09:44:01.94 O
- >>22
これはこれは・・・
ようこそ陽子でございます(年バレ)
今度はチナミやウメサンの外伝を見てみたいんですが・・・
ちょっと難しそうですねw
次回作、楽しみにしてます
またお待ちしてますよ
- 24 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 10:45:06.05 O
- 「うう・・・ひどい・・・ひどいわっ!」
二人の心ない言葉に傷ついたリカサークはその場に崩れ落ち、呻いてしまう・・・
彼女の実力は一流なのだが、そのナイーブな性格が災いして、時折“詰めの甘さ”が顔を出すことが少なくない
そして今回は、せっかくの追撃チャンスをみすみす逃してしまう・・・という“失態”をしてしまった
「あら?リカちゃん落ち込んでる・・・ミキたんが『キモッ!』って言ったからだよ!」
「ちょっとぉ〜!アヤちゃんアタシのせいにしないでよ〜!
でも、あんなことでいちいち傷ついてるなんてバッカじゃない!?」
ミキ帝のさらに心ない言葉が、リカサークの胸に激しく、容赦なく突き刺さる!
「あれ?・・・あの娘とうとう泣いちゃったわよ・・・」
「別にいいじゃん?勝手に泣けば・・・」
「うわーっ!ミキ帝エグーイ!ホント、“鬼”だね!」
「何よアヤちゃん!?アタシだけ悪者にしないでよ?」
リカサークを泣かせた罪の擦り付け合いをする二人だったが、
その表情はすっかりにやけており、罪悪感の欠片はこれっぽっちもない様子だ
「ま、遊びはこれまでにして・・・」
「ウチらも本気を出しましょうか♪」
- 25 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 12:23:58.17 O
- 州*‘ -‘リ
- 26 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 12:25:08.54 O
- 精神的に弱っているリカサークをどう料理しようかと品定めをしながら、ミキ帝達は少しずつ、且つ慎重に近づいていく・・・
さながら、狩りをする肉食獣のように・・・
一足飛びでも襲いかかれる間合いに差し掛かった途端、獰猛な肉食獣は牙を剥き出しにして、
か弱き子羊・・・ならぬウサギちゃんに飛びかかった!
「へっ!ざまぁないね!」
「その首・・・もらったぁー!」
跳躍した瞬間、二人は前回の二の轍を踏まぬよう周囲を確認してみた
すると、標的のリカサークは二人の襲撃に気付き、ようやく我に返ったようだが、防御するには時間がなさすぎる
(・・・いける!)
ミキ帝は内心、ほくそ笑んだ
実のところ、直線的なヨッシーノより、状況に応じて戦闘スタイルを変えてくるリカサークの方が厄介だったからだ
その不安要素の芽を早めに摘む絶好の機会に胸が踊らない訳がない
しかし、
「・・・ウプッ!?」
「・・・フガッ!?」
飛びかかった二人の視界が急に真っ暗になり、バランスを崩し、尻餅をついてしまった!
転倒によるダメージが消えぬ間に、次は二人の頭部に衝撃が走った!
- 27 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 13:35:50.87 O
- 「バカヤローッ!」
バチコーン!!
「はべらっ!?」
「ぶべらっ!?」
ミキ帝達に突如、襲いかかった衝撃の正体・・・それは、ヨッシーノの只の平手打ちによる一撃だった
が、その只の平手打ちが、ミキ帝達を数メートル後方に吹き飛ばしたのだ!
「バカモン!ウチの嫁に手を出すとはいい度胸だな!」
仁王立ちになってミキ帝達を見据えるヨッシーノ
「・・・ヨッちゃん!?」
ピンチを救ってもらった安堵感からリカサークがヨッシーノの元へ駆け寄る
それに気付いたヨッシーノも、腕を大きく開いてリカサークが飛び込んでくるのを待ち構えている
「ヨッちゃ〜ん!・・・アタシ、怖かったぁ〜!」
腕を開いたヨッシーノの胸に飛び込むリカサーク
待っていたのは、ガッチリと逞しいヨッシーノの腕による熱い抱擁・・・
ではなく、
「バカヤロー!」
バチコーン!!
「まいぷりんっ!?」
・・・ヨッシーノによる熱い平手打ちだった!
- 28 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 13:44:24.77 0
- やっぱり主題歌はシャ乱Qの「君は魔術師?」
- 29 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 14:27:02.60 O
- >>28
特にそこまで考えてはいませんでしたが・・・
雰囲気的にはネバーエンディングストーリーですかね・・・
- 30 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 15:15:25.67 O
- 「・・・痛っ〜!・・・ったく何なのよ!?」
横っ面を張られて吹っ飛んだミキ帝が辺りを見回す
すると、ミキ帝の隣には、顔に布が被さったアヤヤが転がっていて、
ミキ帝の目の前には、リカサークに罵声を浴びせる何者かがいた・・・
「こ・の・バ・カ・ヤ・ロ・ウ!何チョーシぶっこいてるんだ!」
「ゴメン、ヨッちゃん!乱暴はやめてっ!」
「バカモンッ!ワシは『ヨッちゃん』じゃない!『イッテツ』じゃ!」
リカサークの胸ぐらを掴んで揺さ振る人物・・・
実はそれこそがヨッシーノの別人格・『イッテツ』だったのだ!
「・・・んもう!うるさいわねっ!」
『イッテツ』とリカサークの一悶着の騒々しさにアヤヤが目を覚ました
「あっ、アヤちゃん・・・大丈夫!?」
「痛っ〜!・・・あまり大丈夫じゃない・・・」
平手打ちを受けた横っ面を押さえながらアヤヤが返事をするが、ミキ帝同様、目の前の不可思議な光景に呆然とする
「・・・ねえ、ミキたん?アレ・・・ヨッちゃんなの!?」
「そう、みたい・・・ね」
「・・・どうする?」
「・・・どうもこうもないっすよ・・・」
- 31 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 16:31:17.24 O
- 試合中に突然、豹変したヨッシーノ
そのハプニングにミキ帝達は、事の成り行きを見守るしかなかった・・・
が、しかし、世の中そんなに甘くない
「嫌ぁ〜っ!」
「あっ!コラ、待て!トメコ〜ッ!」
一瞬の隙をついて、リカサークがヨッシーノ改め『イッテツ』さんの手を振りほどき、脱兎の如く逃げ出した!
・・・だが、その逃げ先は・・・
「嫌ぁ〜っ!助けてぇ〜っ!」
「あっ!バカッ!こっち来んなっ!」
「えっ!?ちょっと、ヤダッ!」
リカサークはよりによって敵であるミキ帝達の方へ逃げ込もうとしてるのだ!
得体の知れない“謎の人物”に追いかけ回されるのはまっぴら、とミキ帝達はリカサークを追っ払おうとする・・・
しかし、悲しいかな、ミキ帝の得物はトンファー、アヤヤの得物は棍と、遠距離用ではないため易々とリカサークの接近を許してしまった・・・
互いに顔を見合せる二人・・・これといって良策がない二人に残された手段は・・・
「逃げるよミキたん!」
「あっ!ちょっと待ってよ〜!」
逃げ出すしかなかった・・・
- 32 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 17:37:57.95 O
- 州*‘ -‘リ
- 33 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 18:47:26.51 O
- みんなで逃げ回り始めて約5分・・・
逃げるリカサーク、ミキ帝、アヤヤはすっかり息が上がってしまっていた
しかし、追いかける『イッテツ』さんはというと・・・
「トメコォ〜!もう逃がさんぞぉ〜!」
全く息が上がっておらず、驚異のタフネスぶりを発揮していた
それに対して、リカサークとミキ帝達との間で口論が始まった
「・・・ね、ねえ、どうしよう!?」
「どうもこうもねえよ!このバカ女!」
「ううっ・・・ひ、ひどい・・・」
「ひどいのはリカちゃん、あんたじゃないの!?
あんな得物の知れない変態を連れて来て!」
「“変態”じゃないわよ!・・・あれは、ヨッちゃんの“別人格”なの・・・」「・・・何だって!?」
リカサークがこぼした“別人格”という言葉にミキ帝達が食い付いた
「おいっ!リカちゃん、どういうこと!?」
「・・・アタシにも詳しいことはわかんないけど
・・・ヨッちゃん、厳格なお父様の影響であの“別人格”が生まれた、って言ってたわ・・・」
「・・・要はアレはヨッちゃんであって、ヨッちゃんじゃないんだろ!?」
「・・・うん」
- 34 名前:外伝担当。。。 ◆GQ0CKkKqlU :2008/05/25(日) 18:52:00.78 0
- 保全
新作ウメサンで考えてはいるんですけどなかなか進みませんw
- 35 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 19:00:24.26 0
- 外伝って何?
- 36 名前:外伝担当。。。 ◆GQ0CKkKqlU :2008/05/25(日) 19:11:13.49 0
- ああ、申し遅れました。
マーサー王スレで外伝書いてるものです
ここの作者さんが時々顔を出して下さるのでスレが立つと覗きにきております
- 37 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 20:08:32.46 O
- >>35
・・・という御方で、読みやすくわかりやすく面白い作品を書かれてます(スピンオフ)
すでに『マーサー王・・・』はご存じかも知れませんが、もし良かったら覗いてみて下さい
(外伝さんの作品も)
ワタシがこのスレを始めたきっかけの作品ですので、ファンタジー系がお好きなら、きっと気に入っていただけると思います
ワタシ共々ご贔屓にしていただけると大変嬉しいです
- 38 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 20:16:01.88 O
- >>34
いつも顔を出して下さりありがとうございます
やっぱり励みになりますね!
また『マーサー王・・・』でもお会いしましょう!
- 39 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/25(日) 20:57:24.89 O
- 「ハァ、ハァ・・・ねえ、ちょっといい?」
三人が『イッテツ』から逃げ回っていたずらに体力を消耗している中、アヤヤがリカサーク、ミキ帝の二人に呼びかけた
「何?アヤちゃん?」
「このままだと、アタシら自滅しそうな気がしなくない?」
呼びかけられたリカサーク、ミキ帝ともに
「・・・うん」
と頷く
二人の同意を見てとったアヤヤが突拍子もないことを口走った
「だったらさ、ここは“一時休戦”にしない?」
「「!!」」
まさかのアヤヤの思わぬ“休戦協定”に二人は耳を疑った
しかし、発言者のアヤヤに目をやると、とても冗談ではなく、本気の表情をしていた
しかし、
「アタシヤダよ!こんなキモい女と組むなんて!」
「何よっ!?アタシだって嫌なんだからっ!」
「まあまあ二人とも止しなよ!」
互いに嫌い合うリカサークとミキ帝は反対する
だが、いくら考えても他に良策が思いつく訳でもなく、待っていても『イッテツ』の“脅威”が消える訳でもない
むしろ、体力同様、時間も浪費するだけだ
「チッ!・・・わかったよ」
「仕方ない、か・・・」
リカサークとミキ帝、結局、妥協と打算で手を組むことになった
- 40 名前:外伝担当。。。 ◆GQ0CKkKqlU :2008/05/25(日) 21:53:51.21 0
- 紹介いただいてありがとうございます
と保全をかねまして
- 41 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 22:57:22.34 0
- ho
- 42 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/25(日) 23:44:15.26 0
- 黒魔
- 43 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 01:11:21.55 0
- 術師
- 44 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 02:52:01.65 O
- いけるところまでスレ伸ばします
- 45 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 03:00:57.53 O
- 妥協と打算で手を組んだ三人
「アタシに考えがあるの」
手を組んで早々、リカサークが提案をする
「何?」
「二人の武器はほぼ近距離用よね?」
「ああ・・・それが?」
「二人がヨッちゃんを迎撃するとしたら多少なりと攻撃を受けるリスクを背負うことになるわ」
「そりゃ当然だろ!?」
「・・・しかし、今のヨッちゃんは恐らく通常時の1,5〜2倍はパワーアップしてるわ」
「・・・」
「そこで・・・アタシがヨッちゃんの動きを封じ込めるから、二人がヨッちゃんの頭部に強い衝撃を与えて元に戻して!」
「・・・!」
「それ・・・イイ(・∀・)!!」
『三人寄らば文珠の知恵』という古の諺や、『三本の矢』という故事がある
今回は敵味方の三人が役割分担をすることで共通の目標・『ストップ・ザ・イッテツ』が成されようとしていた
「作戦は決まった・・・じゃあ、リカちゃん、頼んだよ!」
「OK!」
- 46 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 05:53:00.65 O
- 保全
- 47 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 06:08:26.05 O
- 「ゴメンね・・・ヨッちゃん!」
ヒュンッ!!
ヒュルルルル・・・パチンッ!!
「ぬわっ!?・・・コラ!何をするトメコォ〜!」
リカサークの放った鞭が見事に『イッテツ』を捕えた!
藻掻き足掻く『イッテツ』ではあったが、鞭の締め付けはきつく、ほどくことが出来ないでいる
「二人とも、今よっ!」
「わかってるよ!」
「さっきのお返しだ!食らえっ!」
標的に向けて、二人は大きく跳躍!
ミキ帝はトンファーを振り回し、アヤヤは棍を頭上高く振り上げた!
「?」
跳躍した瞬間、二人は“既視感”に襲われた
そういえば、さっきもこんなことがあったような・・・
脳裏に嫌な予感がよぎる・・・
そして、その予感は・・・
「バカヤローッ!」
バチコーンッ!!
「はべらっ!?」
「ぶべらっ!?」
まるでVTRで再現したかのように二人は吹っ飛んでしまった・・・
「プッ!・・・プハーッ!・・・アッハハハハッ!」
甲高い笑い声が教会に響き渡る
そして、ミキ帝の罵声が響き渡る
「てめえっ!ハメやがったなっ!?」
- 48 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 07:39:43.40 O
- 州*‘ -‘リ
- 49 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 08:46:26.26 O
- ノノl∂_∂'ル
- 50 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 10:07:45.04 O
- 保全!
- 51 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 10:23:42.85 O
- もちろん、甲高い笑い声の主はリカサーク
「まさか、こんなに簡単に引っ掛かっちゃうなんて!・・・ホント、バカね!
でも、そんな単純なトコ、キライじゃないよ!」
「ハンッ!よくいけしゃあしゃあと・・・
それにね、あんたがスキでもこっちはキライだ!・・・それも大ッキライだ!」激昂するミキ帝
しかし、リカサークは涼しい顔だ
「ま、嫌われるのは慣れっこだし・・・
それよか、ミキちゃん、後ろ後ろ!」
「へっ!?」
リカサークの“忠告”にミキ帝が振り返る
ヒュンッ!!
パシィィィンッ!!
「ぎゃっ!?」
ミキ帝が後ろを振り返った瞬間、がら空きの背後をリカサークの鞭が襲いかかった!
「プッ!・・・ククッ・・・アッハハハハッ!
また、引っ掛かっちゃってる!」
「てめえっ!・・・もう、許さねぇ!
・・・ウウウ・・・ウオオ・・・!」
突然、唸り声をあげ始めたミキ帝
それを見たアヤヤが血相を変えて駆け寄る
「ちょっとミキたん!?それはヤバいって!」
「いいのアヤちゃん・・・アイツをぶち殺さないと・・・アタシの気が済まないんだ!」
「ミキたん、落ち着いて!」
- 52 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 11:23:12.54 O
- 州*‘ -‘リ
- 53 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 11:26:41.82 O
- 「ハァ・・・ハァ・・・着いた・・・!」
「ハァ・・・ハァ・・・もう、ダメ・・・」
「・・・間に合ったかな・・・?」
息を切らせて駆け込んできた二人―りしゃことミヤビが闘技場に目を向ける
「何、アレ?」
りしゃことミヤビには眼前に広がる光景に驚く
雲の隙間から零れる月明かりが照らす教会・・・
その幻想的な美しさに二人は息を呑んだ・・・
その内部では、死闘が繰り広げられているとは知らずに・・・
「ねえ、ミヤー?ヨッシーさん達ってあの中で戦ってるのかなぁ?」
「そうみたい、ね」
「でも、これじゃあ何が起きてるかわかんないね」
「そだね・・・」
二人が言うのも至極当然である
雲の隙間から零れる月明かりだけでは教会の中がはっきりと見えず、
戦況を確認するには時折聞こえてくる物音だけが頼りだ
りしゃことミヤビが何とか中の様子を伺おうと目を凝らしていると、突然、大きな唸り声が聞こえてきた
とても人間の発するものとは思えない・・・
いや、むしろ、獣のそれに近いものがある・・・
そして不思議なことに、唸り声に呼応するかのように、先程まで月を覆っていた雲が晴れてゆき、満月が姿を現した
- 54 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 12:29:28.06 O
- 州*‘ -‘リ
- 55 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 13:19:59.47 O
- ミキ帝の唸り声に呼応して晴れていく雲・・・
そして、姿を現わす満月・・・
その満月を見た途端、突然、ミキ帝は両手を地面に突き、四つん這いになり、苦しそうに呻き出す
「ちょっと!?ミキたん!ダメだって!」
何かを必死に制止しようとするアヤヤ
だが、ミキ帝はそれを振りほどき、叫び声をあげた
「ウオォォォーンッ!!」
・・・いや、叫び声というより、むしろ“遠吠え”と言った方が似つかわしいだろう
その“遠吠え”を聞いたアヤヤは思わず天を仰いだ
「・・・バカ」
「ん?何だお前は・・・!?まるで犬みたいだな?」
今までのやりとりを静かに観察していた『イッテツ』がミキ帝に向かって言った
その刹那!
ドスッ!!
「ぐはっ!?」
目にも留まらぬ速攻だった・・・
瞬時に『イッテツ』のすぐ側まで移動したミキ帝が、拳を『イッテツ』のドテッ腹にめり込ませていたのだ!
「ヨッちゃん!?」
心配したリカサークが『イッテツ』の元に駆け寄ろうとする
・・・が、それは叶わなかった
ドスッ!!
「ごほっ!?」
『イッテツ』の時と同様にミキ帝の拳がリカサークのドテッ腹にめり込んだ
- 56 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 13:53:49.49 O
- ル*’-’リ
- 57 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 14:18:37.65 O
- 州*‘ o‘リ
- 58 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 14:59:09.70 O
- 保全
- 59 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 16:04:58.79 O
- 夕方に書き込みます
- 60 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 16:44:00.20 O
- “遠吠え”とともに豹変したミキ帝・・・
その疾風のようなスピードで『イッテツ』、リカサークに急接近、迅雷のような瞬撃で二人を地面にひれ伏させた
「ふざ・・・けるな・・・!・・・もう頭にきた!ワシを怒らせたな!」
『イッテツ』が怒りを露にするも、ミキ帝の姿には驚く
「な、何だお前・・・その格好!?」
『イッテツ』が目の当たりにしたのは獣人化したミキ帝・・・
「ミキちゃん!?・・・あなた・・・『獣人』だったの!?」
「・・・だったら、何だってんだ?ああっ!?」
リカサークの発する言葉がいちいち癇に障るのか、ぶっきらぼうな物言いになるミキ帝
「・・・まるでアタシを憐れんでるみたいだな!・・・ますます気に食わねえ!」
ミキ帝が側で膝をついているリカサークに近付き、思い切り顔面を蹴飛ばす!
ガツッ!!
「ぎゃっ!」
「いい声で鳴くねえ・・・ええ?リカちゃん!」
続けて、横たえた腹部を蹴り上げる!
ドスッ!!
「ぐえっ!」
「ハハハッ!いいザマだねぇ!」
地面に這いつくばったリカサークを踏み躙り、優越感に浸るミキ帝
- 61 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 17:38:37.49 O
- 州*‘ -‘リ
- 62 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 18:25:09.69 O
- 獣人化して、圧倒的戦闘力を引き出したミキ帝
「ほらほら・・・悔しかったら逃げ出してみなよ!」
痛みで動けないリカサークを踏み躙り、尚もいたぶり続ける
「待てよこの野郎!」
何とか呼吸を整えた『イッテツ』がミキ帝の前にに立ちはだかった
が、ミキ帝は珍しく冷静な口調で話し掛けた
「・・・後ろ見なよ、オッサン」
「!?」
ガツッ!!
「ぐわっ!?」
ミキ帝に言われるがままに『イッテツ』が後ろを振り向くと、突然、頭上を鈍器で殴られたような衝撃に襲われた!
「ヨッちゃん!?」
「アタシのことを忘れてもらっちゃ困るわね!」
二人の注意がミキ帝にいってる隙に、アヤヤが『イッテツ』の背後に回り込んでいたのだ
強烈な一撃を浴びて昏倒した『イッテツ』を横目にミキ帝がリカサークに問いかけた
「そうだ!言い忘れてた・・・
あの手紙、何のことだか、わかった?」
「・・・わかんないわよ。あんな動物の毛なんかじゃ訳わかんない!」
「動物の毛?ハッ!あれが動物の毛だって?
・・・とんだ節穴だな!」
- 63 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 18:56:58.65 O
- 川*^∇^)|
- 64 名前:名無し募集中。。。 :2008/05/26(月) 20:04:49.42 O
- 州*‘ -‘リ<ほ!
- 65 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 20:39:56.82 O
- 「節穴・・・ですって!?」
「ああ、そうだよ!節穴以外の何物でもないよ!」
“節穴の目”と言われ愕然とするリカサークに向かって、ミキ帝はキッパリと言い放った
「あれは、人の毛だ・・・あんた達に馴染み深い人物の!・・・あ、アタシもか?」
「!」
「ん?どうやら気付いたようだね・・・そう、ヤグーの毛だよ!」
「・・・そう、やっぱりあなた達がヤグっさんを拉致ってるのね」
努めて冷静に言うリカサーク
「でも、何故アタシ達にそんなこと教えるの!?」
ミキ帝の真意を図りかねたリカサークが駆け引きなしに尋ねた
「粛正だよ・・・“裏切り者”の、な!」
ミキ帝のその冷酷な言動にリカサークは一瞬にして背筋が凍る思いがした
だが、真意をさらに探るため、それでもリカサークは質問を止めなかった
「・・・“裏切り者”、ですって!?」
「“計画”を放棄しようとしたんだよ!・・・ウチらのな!」
「“計画”?」
「・・・ったく、いちいちうるせえな!面倒くせえ!」
「何よ?ミキちゃんから話を振ったんじゃない?」
「・・・やかましいっ!」
ドスッ!!
「ぎゃっ!?」
リカサークの質問責めにうんざりしたのか、ミキ帝はリカサークを踏みつけ、憂さ晴らしをした
- 66 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 21:42:26.32 O
- 「いいわ・・・ここからはアタシが話してあげるわ」
ミキ帝を押し退け、アヤヤが前に出てきた
「アタシとミキ帝、そしてヤグーはね、“計画”をしてたのよ・・・
この世界を破壊する“計画”を、ね」
リカサークは何も言わず、ただ、黙って聞いていた
アヤヤが続ける
「それが突然、ヤグーが“計画”を中止しよう、って言ってきたの
一番最初に“計画”を持ち掛けてきたのに
それが気に食わないのよ」
「・・・だいたいわかったわ。何故ヤグっさんが“裏切り者”って言われてるかは・・・
でも、世界を破壊して、あなた達は何がしたいの!?」
「“復讐”・・・だろ!?」
「「!!」」
三人が声のする方を一斉に振り向く
そこには額から血を流しながらも立っているヨッシーノの姿があった
「“復讐”って!?」
「ああ・・・女王への、な」
「どうして・・・それを・・・!」
動揺を隠せないミキ帝にヨッシーノがはっきりと答えた
「聞いたんだYo・・・女王から・・・」
「おいっ!?何を聞いたんだっ!?」
「恐らく・・・お前がこの世界を破壊しようと思った“理由”を・・・」
- 67 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 21:59:16.91 O
- 「ミキ帝・・・まだ、“あの時”のことを恨んでいるのか?」
「!?」
図星を突かれたのか、ミキ帝の表情が変わる
苦し紛れにミキ帝が、
「あの時”って・・・いつのことだよ!?」
と、言うも、ヨッシーノが答えた
「ミキ帝、お前が“時空の歪み”の調査から戻ってから女王に報告へ行った、その日だ!」
の言葉に沈黙してしまった
言葉を阻むものがなくなったことで、ヨッシーノが抑揚のない声でゆっくりと語り始める
「実は昨日、女王から話を聞いたんだ・・・
『きっと、ミキ帝はアタシのことを恨んでる』と・・・
確か・・・一年程前だっけ?
オレ達『暁の乙女』のOGと、当時の隊長格が女王の命を受けて、“時空の歪み”を調査しに行ったのは・・・
あの時、オレとリカちゃんは何も発見出来なかった代わりに異常もなかった
だけど、中には、身体に異常をきたした者、行方不明になった者・・・色々といた
・・・で、ミキ帝、お前は見つけた訳だ。いや、“出会った”って言った方がいいかな?」
「・・・」
- 68 名前:名無し募集中。。。 ◆LUGh2GKwx2 :2008/05/26(月) 22:44:20.02 O
- 「・・・黙れ」
「!?」
「・・・黙れってんだよっ!」
ヨッシーノの語りに沈黙していたハズのミキ帝が、突然、声を荒らげる
しかし、
「いや、黙らない・・・」
と、ヨッシーノは毅然とした態度で言い切った
「ミキ帝・・・いや、ミキちゃん、女王を恨む気持ちはわかるYo
・・・せっかく出会えた“最愛の人”と別れろ!だなんて頭ごなしに言われたら、な」
「黙れってんだよっ!」
「ちょっと!?落ち着いてミキたん!?」
今にもヨッシーノに飛びかかりそうな勢いのミキ帝を、何とかアヤヤが押さえつけている
そんないきり立つミキ帝を見ながら、神妙な顔つきでヨッシーノが言った
「ミキちゃん、辛いと思うけど、今から話すよ
・・・何故、あの時、女王が『別れろ!』って言ったのか・・・」
「聞きたくないっ!そんなのいまさら聞きたくないっ!」
まるで駄々っ子のように聞き分けがないミキ帝
「ほら!ミキたんしっかりしてっ!
ヨッちゃん!あんたも何考えてんの!?
ミキたんが嫌がってるのに!?」
「“真実”を受け入れるのは辛いと思うし、オレの言葉でミキちゃんを傷つけると思う・・・
でも、“真実”から目を逸らしちゃダメなんだ!」
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